295話・エルたちへの話
エルとナニーさんが着席したのを確認してから話を始める。
そして、フーリッシュが亡くなったと聞いた瞬間に、ナニーさんが、お母さんたちと同じ事を聞いてきた時には、椅子から転げ落ちそうになってしまった。
「お姉様、大丈夫ですか?」
「だ… 大丈夫よ、エル。それとナニーさん、お母さんたちからも同じ質問されたけど、本当に私がやったと思ってるんですか?」
姿勢を正しながら、ジト目をナニーさんへと向ける。
「え… えっと、そんな事してないとは思ってるわよ。ただ念の為に確認だけはしておかないとなぁと思ってね…」
ナニーさんは、そっと私から目を逸しながら答える。
「はぁ… ナニーさんがそう言うなら、そう言う事にしておきますよ。それで、ナニーさんの質問に答えますけど、私はやってませんからね。」
「そ… そうよね!! 最初から分かっていたわ。ささ、ぐーちゃん。話の続きを聞かせて頂戴。」
「…分かりました。」
もういいかと話の続きをする。
そして、フーリッシュが亡くなってしまった仮説やこの後どうするのかなどを話した。
仮説を言っている辺りから、エルの表情が硬くなっていた。
「…私のせいなんでしょうか?」
そして、話を聞き終えたエルの第一声がそれだった。
「エル。貴方は何も悪くないわ。それに、私が話した内容は、ただの仮説だしね。それに、もしその仮説通りだとしても、悪いのは完全にあいつなんだから、エルが気にやむ事はないわ。」
私はエルの言葉を否定する。
「そうよ、えっちゃん。えっちゃんは、全然悪くないと私も思うわ。」
「2人の言う通りよ、エル。それに、もしそいつが生きていたとしても、私とグラディウスがボコボコにしていた筈だから気にする必要はないよ。ね、グラディウス。」
「はい、もちろんです。だから、エル気にしたらダメよ。」
私に続き、ナニーさんやラウム様も話に続いてくれる。
「…皆様、ありがとうございます。」
エルの表情が少し和らぐ。
「さ、この話はもうここまでにしましょう。それで、ぐーちゃん。えっちゃんがすぐ帰れないのは分かったけど、いつ頃なら帰れるようになるの?」
「それはまだ分からないですね。一応、お母さんたちの調査次第ですね。後、私1人で戻ってみて安全だと確認出来ればエルを戻す事が出来ると思います。」
「まぁ、そうなるわね。」
「だから、エル。悪いけど、もう暫くここで過ごして貰うと思うけど、大丈夫?」
「はい。私は大丈夫です。」
「そう。良かったわ。あ、後これ、お母さんからエルへの手紙よ。」
預かっていた手紙をエルへと手渡す。