表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

377/389

289話・今度は僕が

「僕って結構隠し事があるんだけど、それを言えないのって、やっぱり申し訳ないと思うんだよね。それが友達なら尚更ね。」


 と言っても、友達だからと言って全てを話しすぎても、逆に相手に迷惑をかける可能性や何かに巻き込んでしまう可能性もあるから線引きは必要だけどね。


「だから、僕はもう気にしてないから、ラウムさんが気にやむ必要はないよ。」


「そっか… ノーリがそう言ってくれるなら、そう言う事にしておくわ。でも、今回の件は貸しにしておいて。」


「貸しですか?」


「えぇ、そうよ。もし私の力が必要になったらいつでも頼って頂戴。私に出来る範囲に限るけど、その時は、力を貸させて貰うわ。」


「そういう事ですか。なら、その時はお願いします。」


「えぇ、任せて。まぁでも、貸しがなくてもノーリ君にはエルを助けて貰った恩があるから、いつでも力は貸させて貰うんだけどね。」


「そ… そうですか。でも、力を借りる時は、どうやってラウムさんに連絡を取ればいいんですか?」


「その時は、エル経由で連絡を取ってくれればいいよ。」


「分かりました。」


 ん? でも待てよ。

 ここにいる間はいいけど、帰った後は、どうやってエルマーナさんに連絡を取ればいいんだ?


「どうかしたの?」


「あ、えっと…」


 正直、どうやってエルマーナさんに連絡を取ればいいのかと聞こうとしたが、折角ラウムさんは、好意で力を貸してくれると言うのに、それすら頼りきってしまうのはどうかと思ってしまった。

 だから、それくらいは、自分でどうにかやってみようと判断した。


「ん?」


「あ、いや、何でもないです。」


「そう? ならいいんだけど。あ、私からの用はこれだけだから、ひき止めてしまって悪かったわね。」


「いえ、気にしないで下さい。僕も、この件について話をしておきたかったので。」


「そう? なら、良かったわ。じゃあ、また後でね。」


「あ、ちょっと待って下さい。」


 戻ろうとするラウムさんを、今度は僕がひき止める。


「ん? どうかしたの、ノーリ?」


「はい。えっと、エルマーナさんに、あれがバレてしまった事は今話したじゃないですか?」


「えぇ、そうね。それで?」


「だからラウムさんが、エルマーナさんに僕の事を隠していた件は僕の為にやったとラウムさんから話してくれませんか?」


「? 別にそれはいいけど、どうして?」


「えっと、ラウムさんとエルマーナさんは友達同士なんですよね?」


「まぁね。より正確に言えば、大親友よ。」


 ラウムさんは、えっへんと胸を張りながら答える。


「そうですか。それで、話をして欲しい理由なんですが、僕のせいで2人の仲が悪くなってしまったら嫌だからです。」


「え? それが理由なの?」


「はい、そうですよ。」


 と言っても、エルマーナさんが、ラウムさんに対して怒っていない事は確認済みなので、2人の仲が悪くなる事はないと思う。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ