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288話・追いかけ

 自分の使用した食器を片してから戻ってくると、頬を膨らませたエルマーナさんが待っていた。

 そして、エルマーナさんと少しやり取りをした後、休むよう言われながら背中を押され、食堂から追い出された。

 完全に追い出される前に、


「じゃあ、すみませんが、部屋で休ませて貰います!!」


 ナニーさんたちにむけて一言言っておく。

 返事を確認してから、僕はそのまま部屋へと戻っていると、途中で、ラウムさんが小走りでやってきた。


「あれ? ラウムさん。どうかされたんですか?」


 何かあったのかと確認してみると、


「ちょっと、ノーリに聞きたい事があってね。私も寝させて貰うって言って出てきたの。」


 僕に用事があるようだった。


「そうなんですね。それで、僕に聞きたい事とは何ですか?」


「ノーリとエルとの距離が、何だか近くなってる気がしたんだけど、外に出ている間に、エルと何かあったの?」


「あぁ、その事ですか。それなんですが…」


 僕はラウムさんに、エルマーナさんを解呪した相手が、僕である事がバレてしまった事を話した。


「あちゃー、そうだったのね。だから、エルとの距離が近くなってたのね。」


「たぶん、そうだと思います。」


「あれ? でも、どうしてエルを治したのがノーリだとバレてしまったの? もしかして、何かヘマでもやらかしちゃったの?」


「えっと、それなんですが…」


 バレてしまった理由も説明する。


「ごめん… マジごめん…」


 ラウムさんは、かなり落ち込んだ様子で頭を下げ謝ってくる。


「頭を上げて下さい、ラウムさん。ラウムさんは、約束通り、誰かに僕の事を話してはないんですよね?」


「おと… いや、精霊王に誓って、誰にも話してないわ!!」


「ならラウムさんは、僕との約束を破った訳ではないじゃないですか。なら、そんなに気にしないでいいですよ。」


「で… でも、私のせいで、エルにバレてしまったみたいだし…」


 気にしなくてもいいと言っても、ラウムさんは、それでも申し訳なさそうにする。


「確かにそうかも知れないけど、今回ばかりは仕方ないと思うよ。」


 実際、エルマーナさんの洞察力が高くなければ、バレなかったと思うし。


「まぁ、そうなのかな…」


「それに、バレてしまったから言えるんだけど、少し良かったと思う事もあるんだよね。」


「?」


「僕って結構隠し事があるんだけど、それを言えないのって、やっぱり申し訳ないと思うんだよね。それが友達なら尚更ね。」


 と言っても、友達だからと言って全てを話しすぎても、逆に相手に迷惑をかける可能性や何かに巻き込んでしまう可能性もあるから線引きは必要だけどね。

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