閑話・とりあえず安心
レジーナがいれてくれた紅茶を飲みながら、リリーが戻ってくるの少しそわそわしながら待った。
「ほら、あなた。足が揺れているわよ。リリーは、すぐ戻ってくると思うから、少しは落ち着きなさいよ。」
どうやら無意識のうちに、足を揺らしていたようで、エリーに落ち着くよう言われる。
「うっ… あぁ、それは分かっているんだが、どうもな… それに、レジーナだって…」
いつもに比べ、少し顔が険しくなっているよと言おうとした前に、
コンッコンッ
「!?」
ノック音が響く。
「リリーです。グラディウス様に話を聞いて参りました。」
「入れ!!」
戻ってきたリリーにすぐ入室許可を出す。
「失礼します。」
入ってきたリリーからは、先ほどまであった不安そうな様子などは微塵も感じなかった。
それは見て、フーリッシュの件にグラディウスが関わっていない事を何となく察する。
「とりあえず、そこに座ってちょうだい。話は、座ってから聞くわ。あなたもそれでいいわね?」
レジーナも、私と同じで何となく察したのか、いつも通りの表情に戻っていた。
「あぁ、私は構わないよ。」
「なら、ほら早く座ってリリー。」
「…畏まりました。」
少し迷った様子を見せたが、レジーナが頑固である事を理解しているからか、リリーは、言われた通り、目の前のソファーに浅く腰かける。
「なら、リリー。話を聞こうか。グラディウスは、どういった理由でここに戻ってきてたんだ?」
「はい。どうやら、マリク様やレジーナ様に、お話があるようで戻って来られたそうです。それと、フーリッシュ様の件には、どうやら関わっていないようです。」
「そうか、それは良かった。だが、グラディウスが嘘をついている可能性もなくはない。そこで、リリーから見たグラディウスが嘘をついていそうな様子はなかったか?」
「私から見たグラディウス様が、嘘をついていないかどうかですか?」
「あぁ、そうだ。嘘偽りなく答えてくれ。」
「…嘘をついている様子はありませんでした。」
「本当だな?」
「はい。ですが、私も嘘を見破れる訳ではない為、私からみたらになりますが…」
「いや、それで構わない。ありがとう、リリー。それで、グラディウスが私たちに話したい事とは何か聞いているか?」
「いえ、詳しくは聞いていません。先にご報告をと思いましたので。」
「そうか。なら、今からグラディウスに… 「ちょっと待って、あなた。」」
会ってから直接話を聞こうかという前に、レジーナより待ったがかかる。