閑話・王としての判断
フーリッシュについての情報が集まるまで、いつも通り仕事を片している最中、
チリーン
と音がなった。
音を聞き、レジーナと少し話すが、同じ考えだった。
「リリー!! 直ちにあのバカ娘に、戻ってきた理由を聞いてきてくれ。そしてもし、フーリッシュの件に関わっているのなら、直ちにその旨を報告してくれ。」
だからすぐ、側に控えていた家妖精のリリーに指示を出す。
「畏まりました。その… いえ、何でもありません。すぐ、確認をして参ります。」
頭を下げ、部屋を出ようとした為、
「待てリリー。気になる事があるのなら、気にせず言ってみてくれ。」
出るのを止めて、先ほど言いかけていた事について聞いてみる。
リリーは少し躊躇った様子だったが、
「そうよ、リリー。何言っても怒るつもりはないから、気にせずに言ってみてちょうだい。」
レジーナからも言うように言われ、意を決したように口を開く。
「もし、グラディウス様が、フーリッシュ様の件に関わっておられたのなら、どうされるおつもり何でしょうか?」
「その事か…」
実の所、その先まで考えていなかった為、リリーの問いに対し、少し考えてから、
「あってほしくはないが、もし本当にグラディウスがこの件に関わっているのなら、王族や私の娘であるなど関係なく、それ相応の処罰を与えるつもりだ。」
そう答える。
「そうですか。では、最悪の場合は…」
リリーも、私の答えを何となくだが感じ取っていたのか、あまり驚いた様子を見せず、最悪の場合… つまり、フーリッシュを殺したのが、グラディウスだった場合について聞いてきたので、
「当然、死刑もありえるだろう…」
と答える。
「お答え頂きありがとうございました。ではすぐに、グラディウス様に戻られた理由を確認して参ります。」
「あぁ、任せた。」
深々と一礼し、リリーは退室していった。
その閉められた扉を少しの間眺め、
「ふぅ… ないと信じているが、最悪を想定して、覚悟だけはしておかないといけないよな…」
そう呟やいてしまう。
「そうね… そんな覚悟したくもないけど、身内だからといって犯した罰に対しての処罰を与えないと最悪国が滅ぶわ。だから今は、私たちの娘を信じましょう。」
「そうだな…」
リリーが戻ってくるまで、仕事が手につきそうにない為、その間休憩する事にした。
「お茶でも入れるわ。」
「あぁ、悪い。お願いしていいか?」
「えぇ、任せて。」
レジーナがいれてくれた紅茶を飲みながら、リリーが戻ってくるの少しそわそわしながら待った。