閑話・突然の知らせ
その知らせは、朝食を食べている際にあった。
「お食事中の所申し訳ございません。早急に、ご報告したい事があります。」
音もなく現れたその人物は、とある人物を見張らせていた私の手の者だ。
いつもは、決まった時間に報告にやってくるので、突如としてやって来たと言うことは、何かしらが起こったのだろうと判断する。
すぐ周りの者たちを下がらせてから、用件を尋ねる。
「それで、何があった?」
「はい。どうやらフーリッシュ様が、お亡くなりになられたようです。」
「なに!!」
思いもしなかった報告に、目を見開き驚いてしまう。
それは、私だけでなく、横で聞いていたレジーナも驚いていた。
「…いや、すまない。報告を続けてくれ。」
だが、すぐ心を落ち着かせ、続きを促す。
「分かりました。ですが、詳しい事はまだ調査中なので、今分かっている範囲での報告になりますがよろしいですか?」
「あぁ、それで構わないから、順に説明してくれ。」
「分かりました。あの家の家精霊が、慌てた様子でどこかに向かわれていた為、後をつけさせた所、治療士を呼びに行かれたようでした。」
「治療士か… フーリッシュは、どこか悪かったのか?」
そう言った報告を受けた覚えがないが、一応確認してみる。
「いえ、どこか悪くしていると言う情報はありませんし、治療士が通っている様子もありませんでした。」
報告通りか。
「続けれくれ。」
「はい。それで、家の中を探ってみて、どうやらフーリッシュ様が亡くなられたと耳にしました。それで、確認した所、それが事実であったので、調査を他の者に任せ、私は先にご報告しに来ました。」
「そうか… では、フーリッシュが亡くなった原因は分かっていないのだな?」
「すみません。それはまだ調査中です。」
「…分かった。なら、調査を継続し、逐一報告してくれ。」
「分かりました。では、失礼します。」
その者は、来た時同様に音もなくその場を後にした。
「どういった事なのでしょうか?」
「分からん。だが、何かあったのは確かだろう。とりあえず、報告を待つしかないだろう。」
「そうですね。」
食事を済ませて、いつも通りにやるべき事をやる。
◆
チリーン
「!?」
音がなった瞬間、私たちは顔を見合わす。
「ねぇ、もしかしてなんだけど、あいつってあの子に…「レジーナ、その先を言うのは止めておこう」」
「そ… そうよね。いくらなんでもあの子がそんな事…」
「「やりそう(だな)(ね)」」
どうやら私たちの考えは同じだった。




