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閑話・否定しづらい

 まさかと思うが、フーリッシュを殺した犯人が私だと思っているのではないのかと、リリーに確認してみる。


「え、そう思っていたから詰め寄ったのではありませんか?」


「!?」


 リリーは、さも当然とばかりにそう言ってきた。


「よく考えてみて下さい、グラディウス様。フーリッシュ様が亡くなった事が判明した瞬間に、グラディウス様がお戻りになられた。それを知り、あの件の事を知っている者であれば、誰でもグラディウス様をお疑いになるのは想像に難くないと思います。」


「うっ… いやまぁ、そう言われたら、そうかもしれないけどさ…」


 確かに、フーリッシュに思う事がない訳ではなかった。

 それと言うのも、フーリッシュは、一応王族としての血がわずかに流れており、遠い親戚みたいなものだ。

 それで、どうやら国王に返り咲こうと、色々やっていたみたいで、私やエルマーナへの婚約の打診もしてきていたとお母さんが言っていた。

 まぁその婚約の話が上がった際、私たちは幼くて、お父さんたちから断られていたようで、私がその話を知ったのも、冒険者になって戻ってきた時だった。

 そして、お父さんが、エルマーナに呪詛をかけたとされる者を探させた時、候補に上がったのが、そのフーリッシュだけだった。

 と言っても、決め手がなく捕縛できないようだったので、私がその話を聞いて、そいつをぶちのめしにいこうとした事があったから、今リリーが言った事を否定しづらかった。


「それに、グラディウス様がお戻りになられた際、その場にマリク様やレジーナ様もいらっしゃいましたが、お2人ともすぐフーリッシュ様の件を聞いてこいとおっしゃってましたよ?」


「お父さんとお母さんまで… はぁ、もういいわ。でも、改めてこれだけ言っておくけど、私はフーリッシュの件とは全くの無関係よ。」


「はい、それを聞けただけで安心しました。では、本日は、どのような件でいらっしゃったのですか?」


「あぁ、そうだった。エルマーナの件で、お父さんとお母さんに話したい事があるんだけど、すぐ会えないかしら?」


「お2人にですか? 今お聞こえになられますように、フーリッシュ様の件で、王宮内も少々騒がしくなっておりますので、すぐに、お2人揃ってとはいかないと思います。」


「そう… ま、お父さんへの報告は後でいいわ。なら、お母さんへの面会はすぐ出来る?」


「レジーナ様でしたら可能だと思います。」


「なら、すぐ案内をお願い、リリー。」


「かしこまりました。では、こちらへ。」


 私は、リリーの後に続き部屋を後にする。

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