表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

350/389

閑話・問題

 今更ながら、お母さんとナニーさんの間にそんな話があったとは知らなかった。

 思いがけない話をされたが、聞きたかった事は聞けたので、そろそろ出発する事にした。


「じ… じゃあ、私はそろそろ行ってきますね。」


「了解。でも、今更だけど、1人で大丈夫?」


「大丈夫ですよ、ナニーさん。それに、治ったばかりのエルマーナを連れていって何かあっても困りますからね。」


「それもそうね。2人には、私から上手い事言っておくから気を付けてね。」


「分かりました、お願いします。では、いってきます。」


「はい、いってらっしゃい。」


 ナニーさんに見送られ、懐から取り出した転移結晶で転移する。



 ◆



 私は今、故郷メァーディスのお城の1室に転移していた。


「さてと…」


 とりあえず、近くに置いてあるベルを鳴らす。


「何か外が少し騒がしいわね…」


 待っている間、外の様子が気になった。

 でも、あまり人に見られる訳にはいかない為、ここで人が来るのを待つ。

 少しして、


 コンッコンッ


 扉がノックされる。


「どうぞ。」


 入室許可を出すと、


「失礼します。」


 声と共に、部屋の扉が開く。


「お帰りなさいませ、グラディウス様。」


 そして、開いてすぐ、扉を開けた者が頭を下げてくる。


「ただいま、リリー。元気だった?」


 私は、入ってきた者… 家妖精(ブラウニー)であり、アリーの母親であるリリーに挨拶を返す。


「はい、病気一つなく過ごさせて頂いております。それで、こちらに来られたと言う事は、何かしらあったと判断して宜しいのでしょうか?」


「えぇ。重大な報告があって戻ってきたんだけど、それより外が何だか騒がしいようだけど、どうかしたの?」


 エルマーナの事を伝える前に、外の様子が気になった為、その事を聞いてみる。


「はい。少し問題が起こりました。」


「問題? 何があったの?」


 リリーの様子から余程の事があったのか、少し身構えてしまう。


「それに答える前に、お1つグラディウス様にお伺いしたい事があるのですが、お答えして頂けますでしょうか?」


「私に聞きたい事? まぁ、答えられる範囲なら答えるけど、何かしら?」


「では、お伺いさせて頂きます。昨日から今日にかけて、グラディウス様は、どちらにおられて、何をされていたのでしょうか?」


「え?」


 思いもしなかった質問に、すぐ答える事が出来なかった。


「お答えできないんですか!!」


 そのせいで、何かしらの勘違いをさせてしまったのか、リリーが珍しく少し取り乱しながら、私に詰め寄ってきた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ