閑話・発見
手を振るライアに見送られながら、歩き出すと、2人を探させていた精霊が戻ってきた。
「2人は見つかった?」
早速、2人を見つける事が出来たのか確認する。
聞かれた精霊は、コクりと頭を縦に振る。
「なら、そこに連れていってちょうだい。」
精霊は、再びコクりと頷いてから、移動し始めたので、私は、その後に続く。
精霊は、そのまま家の方へと飛んでいくので、行き違いで、家に戻ったのかと思ったが、花畑の所で、少し家からそれた。
そして、少し歩いた所で、遠目でエルマーナの姿を確認した。
「ありがとう。また、何かあったらお願いね。」
そう精霊に告げ、送還する。
精霊を送還してから、近づいていくと、
「ん?」
エルマーナとノーリ君の足らしきものだけが見えた。
一瞬、怪我して動けないのかと頭をよぎり、やや駆け足で駆け寄った。
だけど、近寄るにつれ、慌ただしい雰囲気ではなく、どちらかというと、どこか甘い雰囲気が漂っていた。
「あぁ…」
近づいて分かったが、どうやらノーリ君がエルマーナに膝枕されて寝ているだけだった。
何もなかった事に安心しつつ、その微笑ましい光景をみて、心の底から治って良かったと思えた。
本来なら、エルマーナも私の事に気づいていない様子なので、このままそっとしておくのだが、流石に、完治したばかりで、私だけでなく、ナニーさんらも心配しているので、声をかけた。
声をかけた時のエルマーナの反応に笑いながらも、ここに来た理由を話す。
ノーリ君が寝不足だというのに、少し違和感を覚えたが、そのまま話を続ける。
エルマーナは、ノーリ君を起こす事に難色を示したが、たぶんエルマーナの驚いた声で、起きたのではないかと思うので、気にせずに起こす。
ノーリ君は、すぐに目を覚まし、家に戻る事を伝えると、聞き返す事がなかった。
それで、やっぱり起きていたのだと確信する。
そして、少し茶化してから、歩き出すが、2人がついてきていない事に気づき引き返し、どうしたのか確認する。
確認し、一緒に待っておこうかとも思ったが、先にエルマーナの無事を伝えておいた方がいいと判断し、1人先に戻った。
◆
「戻りました。」
ダダダダっとこちらに向かって来る音と共に、ナニーさんが走ってきた。
「ぐ… ハァ… ぐーちゃん、どうだった!! あれ、1人だけ? ハァハァ… えっちゃんたちは見つからなかったの?」
走ってきた事で、少し息を切らしながら、ナニーさんはそう聞いてくる。
だから私は、あった事をそのままナニーさんに伝える。