２８４話・戻る
僕は、起きるに起きられずに、内心落ち着かないまま、２人の話を話の内容を伺う。
話を聞いた感じ、いつまでも帰ってこないエルマーナさんを心配したグラディウスさんが迎えに来てくれたみたいだった。
なら早く起きて帰ろうと思ったが、ここで、ある事に気づいてしまう。
この状況で、どうやって起きようかと。
そう思っていると、たまたまなのか、グラディウスさんから助け舟が出された。
僕は、ここだ！！ と今起きた風を装い起き上がる。
そして、いつからか分からないけど、膝枕をしてくれていたエルマーナさんに謝り、家へと戻る事になったが、どうやら僕を膝枕していたせいで、エルマーナさんの足が痺れてしまったらしい。
その事をグラディウスさんに話すと、先に戻りエルマーナさんの無事を伝えてくれるようで、後で戻ってくるよう言われた。
だから、とりあえず立ったままだと疲れると思ったので、座って貰い、足の痺れがとれるまで休むように提案し、了承してくれる。
「あ… あの、ノーリさん。よく眠れましたか？」
「あ、えっと、うん、ぐっすり眠れたよ。それで、さっきも言ったけど、改めて、長い間待たせててごめんね」
内心、足の痺れの件も含めて、今度は、ちゃんと頭を下げて謝っておく。
「頭を上げて下さい、ノーリさん。私も先程言いましたが、気にしないで下さい。」
「そうだったね。じゃあ、さっきの話の続きでもしようか？」
「はい！！」
少しの間、再び会話をする。
そして、話が一段落ついた所で、
「エルマーナさん。足の痺れはどう？」
痺れはどうなのか聞いてみる。
「えっと…」
エルマーナさんは、自分の足を触ったり、地面に足をつけたりして確認する。
「大丈夫そうです！！」
「そっか。なら、はい。」
先に立ち上がり、エルマーナさんに手を差し伸べる。
「あ… ありがとうございます！！」
今度は、立ち上がった後もふらつく事はなかった。
「じゃあ、戻ろうか？」
「はい！！」
一応、先程まで痺れていた事を考慮し、ゆっくりと戻った。
そして、家に入ると、
「おかえりなさい、えっちゃん。ノーリ君。」
「おかえり、２人とも。」
ナニーさんとグラディウスさんが出迎えてくれた。
その２人の後ろには、アリーさんも控えていた。
「ただいま、グラディウスさん。ナニーさん。アリーさん。」
「ただいま帰りました、お姉様。ナニー先生。アリー。心配をおかけしてすみません。」
エルマーナさんが挨拶した後に、皆に頭を下げる。
「あ、すみません！！」
僕の責任でもあるので、同じく頭を下げる。
