282話・起こす
作者より(挨拶)
少し遅れましたが、明けましておめでとうございます。
今年も、宜しくお願いします。
年が明け数日が立ちましたが、皆様は、いかがお過ごしでしたか?
因みに、ボッチな作者は、年始も普通に仕事でしたね…
読者の皆様も、今年が幸多い年となるようお祈り申し上げます。
ノーリさんが、その場に丸まり横になる。
声をかけるか迷っていると、すぐ寝息が聞こえてきて、タイミングを逃してしまった。
「はぁ…」
大人しく待ってようかと思ったが、チラッとノーリさんを見ると、やはり少し寝にくそうに見えた為、勇気を振り絞る事にした。
「よし!!」
ノーリさんを起こさないように、小さな声で気合いを入れ直す。
そして、ゆっくりとノーリさんの頭を持ち上げ、そっと自分の膝上に頭をのせる。
のせてすぐ、起きてないか確認する。
「すぅ… すぅ…」
「ふぅ…」
起きた様子はなかった。
膝上に温かくも、確かな重りを感じながら、ノーリさんが、起きるのを待った。
◆
真上に上がっていた日も、少し傾きだす。
そろそろ起こした方がいいのかとノーリさんの顔を覗き込むと、気持ち良さそうに寝ていた。
「うーん…」
こう気持ち良さそうに寝ていると、起こすのを躊躇ってしまう。
それに、私のせいで寝不足になっているんだし、もう少しだけこのまま寝かせておく事にした。
「それにしても、本当によく寝てるな…」
自然とノーリさんの頭に手が伸びる。
「大分、ノーリ君と仲良くなったのね、エルマーナ。」
「!?」
急に声をかけられ、驚きながら振り返ると、
「お姉様!!」
私たちを見ながら笑っているお姉様がそこにいた。
「な… なんで、ここにいるんですか?」
「何でって、そりゃあ、あなたたちが全然帰ってこないから、様子を見に来たのよ。」
「あ!!」
言われてみれば、何も言ってなかった事を思い出す。
「ごめんなさい、お姉様…」
「何もないみたいだし、別に謝らなくていいわよ。それで、ノーリ君は寝てるの?」
「はい。どうやら、少し寝不足たったみたいで…」
「寝不足ねぇ… ま、とりあえず、ナニーさんやアリーたちも心配しているから、一旦戻りましょうか?」
「え、あ…」
悪い気持ちはあるが、それでも少し起こすのを躊躇っていると、
「ほらほら、ノーリ君も起きたおきた!!」
お姉様が、止める暇もなく、ノーリ君の体を揺すると、
「う… ううん、あれ、グラディウスさん?」
ノーリさんは、私の膝から体を起こし、起きてしまった。
「おはよう、ノーリ君。悪いけど、1度家に戻りましょうか?」
「はい、分かりました。エルマーナさんも、こんな時間までごめんね。」
と、起きて早々ノーリさんが謝ってきた。