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閑話・ラウム 3

 グラディウスたちと暫く話をしてから、私はエルの部屋へと戻り、休ませて貰った。

 寝ていると突然、


 ガタンッ


 と、すぐ近くで物音がし、目を覚ましてすぐ辺りを見渡すと、暗い部屋の中で、手探りで何かをしている人物を発見した。

 私はすぐエルを守るよう行動に移すと、手探りで何かしていた人物は倒れていた椅子を立てたかと思ったら、目の前から消えてしまった。


「消えた… 何だったの…」


 寝起きの頭をフル回転させてみるが、今のがいったい誰だったのか、ここに何しに来たのかが全く分からない。

 グラディウスたちに今の話をしに行くにしても、またいつさっきの人物がやって来るか分からないので、迂闊に離れる訳にも行かない。

 どうするか考えている内に、隣で話し声がしてくる。


「この声は、アリー」


 たぶん、さっきの音を聞き付けて来たのだろう。

 私は、丁度いいと今起こった事をアリーに話そうと扉に近づこうとした所で、先程までいた人が消えたいった場所で空間の揺らぎを感じた。


「この揺らぎは、やっぱり転移みたいね」


 私自身もよく使う転移を使った事で起こる空間の揺らぎ。


「でも、私のと違って、揺らぎが強い… この感じは、もしかして転移系のアイテム?」


 転移できる私には必要ないので、現物は見た事はないのだが、確かかなり高価なアイテムだった筈だ。

 だけど、そうなってくると尚更意味が分からない事がある。


「そんな高価な転移のアイテムまで使って、何もせずに消えた意味が分からない…」


 まぁ、今回ばかりは、それを予測する情報もないので、分からない事を考えてもどうしようもない。

 だから、


「こっちから、行くか…」


 自分からここに来ていた人物の元へと行ってみる事にした。

 普通なら、相手がどこに転移したのか分からないし、行った事のない場所に転移する事も出来ないのだが、空間を司る精霊の私なら空間の揺らぎを辿って、転移した先へ行く事が出来る。

 だから、エルに対しての危険の芽を早めに摘む為に、こっちから乗り込んでやる事にした私は、空間の揺らぎに意識を集中する。

 すぐに、揺らぎの先をとらえる。


「思ったより、転移した先が近いみたいね…」


 転移の距離によって、辿る時間が長くなるのだが、辿る時間が短いので、どうやらここからそんな離れていない位置に転移したのだと気づく。


「ふぅ… じゃあ、エル。行ってくるわね。」


 転移する前に、1度寝ているエルの方へ顔をむけ、声をかけてから、空間の揺らぎの先へと転移する。

作者より(捕捉)


 ラウムは、触れている相手も同時に転移する事が出来ます。

 今回は、相手に気づかれないように、1人で行ってます。

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