閑話・エルマーナ 21
ラウム様を見送ってから、私たちは夕食やお風呂を済ませてから床についた。
だけど、昼間の精霊契約の興奮が覚めきらないのか、目がさえて中々寝付く事が出来ず、寝たのは外がほんのり明るくなった頃だった。
◆
次の日には、前日寝るのが遅くなった為、1人で起きる事が出来ず、心配したナニー先生に起こされるまで寝ててしまった。
「すみません、ナニー先生…」
起きて、開口一番が謝罪だった。
心配そうな顔をしているナニー先生の顔を見て、謝らずにはいられなかったからだ。
「謝らなくても大丈夫よ。私も、初めて契約した日は、中々寝付けなかったからね。えっちゃんの気持ちはよく分かるわ。でも、どうもないみたいで、安心したわ。それじゃあ、そろそろ朝食が出来るから、顔を洗ってらっしゃい。」
「はい、分かりました。すぐ行きます。」
言った通り、すぐに顔を洗いにむかった。
食卓につくと、アリーさんも私を見てどこかホッとしたような顔をしていたので、アリーさんにも謝っておいた。
食後は、少し休憩を挟んでから、勉強を始める。
勉強は、精霊契約について改めて勉強し、契約した精霊がどんな事が出来るのかなどを勉強した。
ただ、寝不足な私の事を考慮してくれ、いつもより早めに勉強が終わった。
それに甘えさせて貰い、勉強後、私は部屋に戻ってから、休ませて貰った。
どのくらい寝たのか分からないが、誰かが慌てた様子で私の事を呼ぶ声で目を覚ました。
◆
夜部屋に、突然お父様が話がやって来た。
なんの用かと思ったら、
「その、なんだ… 契約おめでとう、ラウム…」
「え…」
そんな事を言われると思わなかったので、返答に困っているうちに、お父様は、すぐどこかへ行こうとするので、
「ありがとう、お父様!!」
私は、その背にむけてお礼を伝えると、お父様は、少し立ち止まったが、何も言わずにそのまま歩きだしていった。
それが少し可笑しく、その背が見えなくなるまで、見送ってから、明日からの事を楽しみにしながら、眠りについた。
◆
次の日、いつもより早く目を覚ました私は、最低限の勉強を終わらせるべく取りかかった。
朝食後、残っていた勉強を終わらせ、それをお母様に確認して貰う。
「どうでしょうか、お母様?」
少しドキドキしながら返答を待つ。
「ちゃんと今日の分は終わってますね。行ってもいいですが、気を付けてね、ラウム。」
「はい、分かりました。では、いってきます!!」
1度部屋に戻ってから、エルとの繋がりを感じとり、その場へと転移した。