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閑話・エルマーナ 14 お母様視点

 初めから、気絶なんてしていなかったあの人がすっと、体を起こした。

 どういう事かというと、それは私が部屋にきた時まで(さかのぼ)る。



 ◆



 あの人が戻ってこないと、報告がきた。


「はぁ… 私が探してきますので、貴方は仕事の方をお願いします」


 報告してきた人にそう伝え、私は、あの人がいるであろう場所へとむかう。

 そろそろ目的の場所であるラウムの部屋へと到着しそうな所で、あの人とラウムの話し声が聞こえてきた。

 案の定ここだったわねと思いつつ、何の話をしているのか気になったので、私はすぐに出ていかずに、その話を聞いていた。

 その結果、どうやらラウムに対して過保護気味であるあの人が、ラウムが今現在呼ばれているであろう召喚の邪魔をしているようだった。


「はぁ… あの人の過保護にも、困ったわね…」


 あの人が過保護だといっても、まさか、召喚の邪魔をする程だとまでは思っていなかった。

 とりあえず後で、仕事をサボっている分も含めて話し合う必要があるわねと思いながら、あの人は気づいているのか分からないが、ラウムの様子に少し気になる事があった。


「あの子、あんなに召喚に乗り気だったからしら?」


 人界には何度かこっそりと行っているみたいなので、人界に興味があるのは確かだと思うが、今まで召喚して貰いたいなどの話も聞いた事がない。


「もしかして、むこうで何かあったのかしら?」


 危ない事に首をつっこんでいるのではないかとあの人ではないけど、少し心配になってくる。


「直接聞けばいいか。」


 ここで1人心配していても無駄だと思い、私はそれを実行する為に、ラウムの部屋へと入っていく。

 入ってすぐラウムに話を聞く前に、とりあえずあの人に声をかけておく。

 すると、すぐラウムが私に助けを求めてきた。

 確かに、ラウムから話を聞く上で、少しあの人の事を毛嫌っている節があるし、話を聞いている最中にあの人から邪魔をされても困るわねと思い、咄嗟にあの人の首へと腕を回しながら顔を近づけ、


「今から、ラウムから話を聞きたいから、私の邪魔をしないように、このまま気絶したふりでもしておいて…」


 有無を言わせずラウムに聞こえないように、小声でそう言っておく。

 あの人も私の事を怒らせたくないようで、すぐラウムに気づかれないように少しだけ顔を縦に振った後、気絶したふりをしてくれる。

 その後は、ラウムから話を聞き、今に至る。



 ◆



「あの子も成長してきているんだから、邪魔しちゃ駄目よ。」


「う… 善処してみよう…」


「はぁ… 今はそれでいいわ。それで、仕事をサボっていた件と召喚の邪魔をしていた件について話を聞きたいから、私たちも行きましょうか。」


 ニコリと笑いながら、あの人の事を見る。

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