閑話・エルマーナ 9
アリーさんが、持ってきた新しいクッキーをラウム様と一緒に食べながら、私たちから聞いた話を整理する為か、ぶつぶつ呟きながら整理しているナニー先生を待つ事にする。
少しすると、
「ふぅ… ごめんね、えっちゃん。とりあえず、貴方たちの話は分かったわ。それで、えっとラウム様だったかしら?」
「ん? えぇ、そうよ。」
「それで、ラウム様は、えっちゃんを助ける為に力を貸して下さるんですよね?」
「えぇ、そうよ。だけど、エルにも言ったけど、もの探しが得意って訳じゃないから、むこうに戻ってから話を聞いて回るくらいしか出来ないけどね。」
「それだけでも、助かります。それに、えっちゃんと友達になって下さってありがとうございます。」
私の事をチラッと見てから、ラウム様へと頭を下げる。
「え、ちょっとナニー先生!!」
急なナニー先生の行動に驚く。
「だって、えっちゃん。ラウム様が初めての友達でしょ?」
「!? なんで知ってるんですか!!」
「レジーナから相談されていたのよ。ぐーちゃんと違って、中々友達が出来ないって?」
「え、お母様そんな事をナニー先生に相談していたんですか!!」
「あ、これ言っちゃいけないんだった… さて、それで、今からえっちゃんは、ラウム様と精霊契約をするのよね?」
「いやいやいやいや、ナニー先生。話をはぐらかそうとしたってそうはいきませんよ!!」
「あ、やっぱり。」
少しの間、その事について話し合った。
話を終えると、
「お待たせしてしまいすみません、ラウム様。」
待たせていたラウム様に謝る。
「気にしてないわ、エル。やり取りをみているのも、面白かったしね。」
「そ… そうですか?」
何が面白かったのかは分からないが、気にしていないようで安心した。
「それでナニー先生、精霊契約の本は、どこにありますか?」
「あぁ、それなら今取ってくるからちょっと待ってて頂戴。」
そう言ってナニー先生が部屋を出ていき、少しして戻ってきた時には、1冊の本を持っていた。
それを受け取った後、ナニー先生の手を借りながら、精霊契約をする為の準備をしていく。
「ナニー先生、これでいいんでしょうか?」
「えぇ、ちゃんと出来ていると思うわ。」
「良かったです。これで、精霊を召喚できるようになるんですよねって、あれ? ラウム様は、ここにいるのですがどうやって召喚するんですか?」
準備してその事に気づいた。
「あ、そう言えばそうだったわね。」
ナニー先生も、私と同じく忘れていたみたいだった。




