23話・ダンジョンの石集め
いつものように、朝の時間を過ごし、早速ダンジョンへむかう。当然、来る途中に、ツルハシを数本買い込んでおく。
ダンジョンに着いた僕は、転移版は使わず、入り口からダンジョンへ潜った。
「さてと、石集めと行きますか。」
1階層のマッピングは終わっており、ある程度把握してある。だから、誰も来ず、行き止まりの場所にむかう。道中、モンスターと遭遇したが、とりあえず今は、ダンジョンの石の採取の方を優先したい為、出会ったモンスターをスルーしてから行き止まりにむかった。戦闘をしなかったので、その場所にすぐにたどり着いた。
「よし、やるか!!」
アイテムボックスから、買っておいたツルハシを取り出し、勢いよく、ツルハシをダンジョンの壁に振り下ろす。
ガキーン
「か… 硬い…」
思ったよりも、壁は硬く手が痺れる。だけど、ツルハシは刺さっていないが、亀裂は入っていた。諦めずにそのままツルハシを振り下ろす。
何度目かにやっと、ダンジョンの壁が砕けた。この調子で、どんどんダンジョンの壁を壊していく。体感で、30分ほどやっていると、ツルハシが壊れてしまった。
「ち… 丁度いい、休憩しよう…」
思ったよりも、体力を削られる作業だった。
休憩する前に、砕けたダンジョンの石を先にアイテムボックスの中に入れておく。ダンジョンの石を入れ終えると、回復薬を取り出して、休憩する。
「!?」
休憩しながら、壊れたダンジョンの壁を眺めていると、本当に少しずつではあるが、ダンジョンの壁が修復されていく。思い返してみると、5階層を攻略する間、ダンジョンの壁が壊れていた所なんて、見たことなかった。気にも止めなかったがまさか、修復してるなんて思っても見なかった。
休憩を終えて、再開しようとした時には、壊したダンジョンの壁は、既に完全修復していた。
その後も、ダンジョンの壁を休憩を挟みつつ時折湧いたモンスターを倒しつつ、石の採取をし続け、3時間もたった頃には、買っておいたツルハシが全て壊れてしまった。壁を壊している間、試しに、床も壊してみようとしたが、壁よりも数段硬く、亀裂すら入らず、すぐに諦めた。
ツルハシも全部壊れたので、オリハルコンの作製をする。今回のダンジョンの石で作製出来るオリハルコンの量は、小量だけだった。量を集めるには、かなり時間がかかりそうだ。
する事もなくなったので、ダンジョン攻略の続きをする為、1度ダンジョンから出た後、今度は転移版を使い6階層に続く階段まで転移した。
転移した先では、他の冒険者たちが休憩していた。時間も丁度昼頃なので、僕も端の方で、弁当を食べる事にした。弁当を食べながら、アイテムの確認をしっかりしておく。
弁当を食べ終え、確認も終わった為、僕は6階層へ続く階段を降りていった。