閑話・エルマーナ 4
アリーさんを見送った後、浮かんでいる女の子の方へと振り返ると、すぐ近くにその女の子の顔があった。
それに驚いたせいで、足がもつれてしまい後ろへ倒れそうになったが、女の子が私の腕を掴んでくれ倒れずにすんだ。
女の子は、そのまま腕を引っ張ってくれ体勢を立て直す。
「あ… ありがとうございます。」
私は、助けてくれた女の子にお礼を伝える。
「気にしないで。私が驚かせたようなみたいなんだから。」
「はい… あの、それで… 「それより、貴方やっぱり私の姿が見えているのよね?」」
女の子は、そう私に聞いてきた。
「はい、見えてます。」
「やっぱり、そうなのね…」
女の子は少し考え込むような仕草をとる。
考えているのを邪魔しちゃ悪いかなとも思ったけど、ちゃんと話せている今聞いといた方が答えてくれるかなと思い直し聞いてみる。
「それで、貴方様はいったい何者なのでしょうか?」
「ん、私の事?」
女の子は、今度はすぐ返事をしてくれる。
「はい、そうです。」
「私はこれでも一応上位精霊よ。」
「上位精霊ですか!? あ…」
驚きすぎて、声をあげてしまったので、咄嗟に口をおさえ、家の方を見ると、少ししてアリーさんが出てきたので、何もない事を伝えるとすぐに中へと戻っていった。
「ふぅ… あ、すみません。」
「別にいいわ。あの子には私の事は見えないしね。」
女の子にそう言われ、
「そう言えば、どうしてアリーさんには貴方様の… 「ラウムよ。」 え?」
「だから、私の名前よ。私の名前は、ラウムって言うの。貴方の名前は?」
「あ、すみません。私は、エルマーナと言います。」
「エルマーナね。それで、貴方はもしかして、ハイエルフだったりする?」
「はい、そうです。両親が言うには、どうやら私は先祖帰りって言うものらしいんです。ですが、ラウム様は、どうして私がハイエルフだと分かったんですか?」
「それは、貴女が私の姿を見る事が出来ているからよ。」
「ラウム様の姿を見る事が出来るですか?」
「えぇ、そうよ。だって、ハイエルフは、普通のエルフより私たち精霊との親和性が高いみたいなの。それに、精霊眼って言って、姿を消している私たちの姿を捉えられる眼を持っているって言うしね。」
「そうなんですか。なら、私がラウム様… 「ねぇ、エルマーナ?」 はい。何でしょうか、ラウム様?」
「その様って呼び方止めてくれない?」
「様呼びをですか? では、何とお呼びすれば宜しいですか?」
「そうねぇ… なら、ラウムって呼び捨てでいいわ。」
「よ… 呼び捨てですか?」
ラウム様の呼び方の提案に少し戸惑ってしまう。