閑話・エルマーナ 2
私は、手渡された装飾品を見つめ軽く握りしめた。
「それで、お姉様は今何をされているのでしょうか?」
この装飾品の価値がどれ程の物なのか、私には分からないけど、たぶん安くはないと思う。
だから、これを手にいれるのにお姉様が無理をしているのではないかと心配しながら、今何をしているのか確認してみる。
「今グラディウスは、治療中ね… 何でもダンジョンで少し怪我をしたみたいね。」
それを聞き、やっぱりお姉様は、無理をしているんだと装飾品を握る拳に力が入る。
「私のせいですよね…」
「…私じゃそこまで分からないわね。だけど、グラディウスならきっと絶対に違うって言うと思うわよ。」
「そうですかね… ありがとうございます、リーベ様…」
「気にしないで。それより、エルちゃん。その装飾品を身につけてみて。」
「はい、分かりました。」
私は握りしめていた拳の力を抜き、手に持っていた装飾品を身につけてみる。
「!?」
すると、今まで重かった体が少し軽くなった感じがする。
「エルちゃん、どう? 何か変化はある?」
「はい。体が軽くなりました。」
私は、感じた事をそのまま伝える。
「そう… 良かったわ。グラディウスにも、久しぶりに良い報告が出来そうだわ。」
「久しぶりですか?」
「あぁ、こっちの話よ。それより、私はそろそろお暇させて貰うわね。」
「はい。わざわざ持ってきて下さって、ありがとうございました。」
「こっちに少し用事もあったから、気にしないでいいわよ。それじゃあ、また何かあったら来させて貰うわね。」
「はい、お待ちしてます。あ、後お姉様に、私の為に、無理しないように伝えて貰っても宜しいですか?」
「分かったわ。まぁ、聞くかどうかは分からないけど、必ず伝えておくわ。だから、エルちゃんも体調が優れなくなった時は、我慢せすまにすぐお母さんに伝えるのよ。」
「はい、分かりました。」
別れをすますと、リーベ様は、すぐにここを立っていった。
◆
リーベ様が装飾品を持ってきて下さってから、数日がたった。
装飾品のおかげで、今は前よりも体が軽くなったので、少し気分を変えて、庭の方でナニー先生の勉強をうけていた。
「それじゃあ、今日の勉強はここまでにしときましょうか。」
「はい、分かりました。」
「私は中に戻るけど、えっちゃんはどうする?」
「もう少しここで、本でも読んでようと思います。」
「そう。なら、何かあったら、私でもアリーでもいいから呼んでね。」
「分かりました。」
ナニー先生を見送ってから、私は本を読もうとしたところで、誰かが現れた。




