239話・ベル
またしても出た、笑っているのに笑っていないという技にビビりながら返事をする。
その後も、様々な話をしていき夜が更けていった。
「それじゃあ、そろそろ休みましょうか。」
「そうですね。それじゃあ、灯りを消しますね。」
「うん、お願い。」
灯りを消してから、ナニーさんの寝ている横で、私も横になる。
2人して(私は、ナニーさんをナニーさんは私に)ベッドを使うように勧めてきたけど、どちらも譲らなかったので、最終的に、ナニーさんの案で、2人で床に布団を敷いてから隣同士で寝る事になったのだ。
「おやすみなさい、ナニーさん。」
「おやすみ、ぐーちゃん。」
寝る前の挨拶を済ませてから、目を閉じると、すぐに眠気がやってきたので、私は抵抗する事なくその眠気に身を委ねた。
◆
グラディウスさんが、エルマーナさんのいる部屋から出ていったのを出発する前の準備していた時に上げた気配察知で感じとる。
まぁでも、流石に出ていったのを確認してすぐに行動に移す訳ではないので、様子(グラディウスさんたちの動きなど)をみる為に、もうしばらくベッドで横になりながら夜が更けるのを待つ事にする。
そして、少し待っていると、こちら方面ににやってくる気配を察知する。
上げた気配察知では、見知った人ならその気配で誰なのか分かるようなり、更に気配察知に意識をむけ集中する事で、範囲内にいる人の感情的なものを何となくだな感じ取れるようにもなった。
因みに、エルマーナ様から感じる感情は、不安や恐怖、苦しいなどの負の感情だ。だから、話を聞いただけでなく、これを感じとったのもあり、尚更エルマーナ様を助けたいと思っていたりする。
「この気配は確か、アリーさんかな?」
そう思っていると察知した気配が扉の前で立ち止まった。
コンッコンッ
と扉をノックする音と共に、
「ノーリ様、おやすみのところすみません。アリーです。」
思った通りアリーさんがやった来た。
「大丈夫です。今開けます。」
すぐ扉を開け、
「アリーさん、どうかしましたか?」
ここに来た理由を尋ねる。
「本当にすみません、ノーリ様。そろそろ私も休ませて頂きますので、お部屋の灯りもついていましたので、最後に何か用事がないか確認させて頂こうと思いまして。」
「そうなんですね。わざわざありがとうございます。特に頼みたい事はありませんね。」
「そうですか、分かりました。では、何かありましたら、これを鳴らして下さい。」
そう言って、ベルを手渡される。




