235話・話 1
僕が何言っても聞き入れて貰えなさそうなので、僕はしぶしぶ承諾する。
グラディウスさんは満足そうに頷いた後、
「それじゃあ、話をしましょうか。」
と唯一あるベッドに腰掛け、バシバシと座っているベッドの空いてある空間に座るように催促してくる。
僕は、催促通り隣に腰掛ける。
「それで、グラディウスさん。僕に話しとは、いったい何ですか?」
僕が、作製した秘薬を持っている事は誰にも話していないので、その事についての話ではないと思うけど、どんな話をされるのか少し緊張していたりする。
「この話をしようかどうか迷ったけど、やっぱり話をしておこうと思ったの。」
本当にいったいどんな話をされるのか、鼓動が早まるのを感じながら、
「ど… どんな話でしょうか?」
と聞き返す。
「その前に、もう一度確認したいんだけど、あの"どらいやー"はどうやって手にいれたの?」
何でまた、どらいやーの事を聞いてきたのか分からないが、
「あれは、ダンジョンで手にいれた物ですよ…」
先程同様にダンジョンで見つけたと話す。
「そう… ノーリ君がそう言うならそれでいいけど、ノーリ君はその価値を分かっているの?」
「価値ですか?」
確かに貴重な金属版などを使っているし、外側の金属も金属版の熱で溶けないようにオリハルコンを使っているので、かなり高価な物だとは思う。
「あぁ、そうだよ。」
「もの凄く高価な物だとは思います。」
「そうだね。あれだけで、数年は遊んで暮らせるくらいには高価な物だと思うよ。」
「そんなにですか!?」
高価な物だとは分かっていたが、改めて人からその価値について聞かされると驚愕してしまう。
「えぇ、そうよ。」
「じ… 冗談ですよね?」
だって、色魔石は魔力交換で交換し、鉱石類はダンジョンで育てた物を使ったりと元手はかかっていない。
「本当よ。それも、貴方を殺してでも奪い取ろうとする人がいるくらいにね。」
「・・・」
なんと言うか、開いた口が塞がらなかった。
「ちゃんと理解したようね。」
「はい… 自分で思っているよりも高価な物で驚きました。」
「それはそうよ。中の仕組みまでは分からなかったけど、外側はあれ全部オリハルコンでしょ。私だって、数回しか見た事ないくらい貴重な金属なんだから、あんなに使われてたらそのくらいするわよ。」
「そ… そうですよね。なら、その話をする為に僕を?」
「それもあるけど、それよりノーリ君を注意する為よ。」
「僕を注意ですか?」
何を注意されるのか分からないので、その理由を聞いてみる。