233話・部屋の中
ナニーさんは、どうやら納得してくれたようなので、僕は嘘がばれる前に、グラディウスさんに、再度それで髪を乾かすよう伝えてから、手を洗いにいった。
手をしっかりと洗った後、ついでにうがいもしておく。
それが終わると、リビングへとむかう。
リビングでは、ナニーさんとアリーさんが食事を並べており、グラディウスさんは髪の毛を乾かしていた。
それを見て、とりあえず僕は、ナニーさん達の手伝いを申し出たけど、もうすぐ終わるから座って待っていてとの事で、動き回ると逆に邪魔になると判断した僕は、言われた通り座って待つ事にした。
少し待っていると準備が出来たので、皆が席につき夕食が始まった。因みにグラディウスさんの使っていたどらいやーは、後でナニーさんも使いたいとの事で、アイテムボックスにいれずにそのまま出しておき、明日帰る前に回収する事にした。
夕食は、エルフの国の事やグラディウスさんの子供の頃の話などを教えて貰いながら食べ進めていった。その話の際、終始グラディウスさんの顔色が変わっていくのが少し面白いと思ったのは内緒だ。
夕食を食べ終えると、流石にお世話になりすぎだと思った僕は、お皿洗いを手伝わせて貰った。それが終わる頃に、お風呂の準備が出来たとの事で、本日二度目のお風呂へとむかった。
◆
お風呂から上がり脱衣所を出ると、グラディウスさんが少し離れた場所で立っていた。
「あれ、グラディウスさん、どうかしたんですか?」
「ノーリ君に少し話があってね。出てきたって事はもうお風呂は済んだって事でいいの?」
「はい、終わりました。」
二度目のお風呂だったので、汗を流してから少しお風呂に浸かってから出てきたので、そこまで時間がかかっていなかった。
「それじゃあ話をする前に、先にノーリ君がお風呂からあがった事をナニーさんに教えに行こうか。」
「はい、分かりました。」
その後、ナニーさんにお風呂からあがった事を伝えてから、グラディウスさんの案内で、今日僕が泊まらせて貰う部屋へとむかった。
ある部屋の前を通ろうとした際、気配察知に反応があった。
グラディウスさんが、僕のその反応に気づいたのか、部屋の前で立ち止まった。
「この部屋の中の事が気になる?」
「あ、いえそういう訳では…」
「ノーリ君は事情を知っている訳だし、気にしなくていいわ。ノーリ君の想像通り、この部屋の中でエルマーナが眠っているの。」
やっぱり思った通り、エルマーナ様がこの部屋で眠っているようだった。