230話・意図せず起こった
玄関先でノーリ君に会い、外から帰ってきた事もあり、手洗いをしてくるように伝える。
それを伝えた後、アリーの元に戻ってからノーリ君が帰って来た事を教え、配膳準備をお願いする。
アリーが配膳準備をしている間に、私は、ぐーちゃんにも夕食が出来る事を伝えに行こうとしたのだが、ぐーちゃんがどこにいるのか分からなかった。
まぁだけど、お風呂に入るように言ってから、時間はたっていると思うからたぶんあがって、またえっちゃんの部屋にでも行っているのだろうと判断し、えっちゃんの部屋へとむかった。
部屋につくと、いつものようにノックしながら声をかけるが返答はなかった。
一応部屋の中を確認してみるも、えっちゃん以外誰もいなかった。
私は、他の部屋やトイレなども探してみたが見当たらなかった。
「他に探してない所は…」
一瞬外かとも思ったが、流石に外に出るなら声をかけてくれるだろうと思い候補から外し、他はと考えた所で、
「まさか!!」
私は急いである場所へむかうと、扉から少し離れた所でノーリ君が立っていたので、すぐに声をかける。
◆
グラディウスさんは、僕がした事に対し怒ってはいないが、やはり悪い事をしたのに変わりはないので、最後にもう一度謝っておいた。
「それで、ノーリ君はここに何しに来たの? お風呂には入ったと思ってたけど、入ってなかったの?」
「あ、いえお風呂には入らせて貰いました。ただ外に行き先程帰って来て、ナニーさんから夕食が出来るから手を洗ってくるように言われたので…」
「なるほどね。なら、すぐに服を着てくるから少し待ってて頂戴。」
「はい、分かりました。」
グラディウスさんは脱衣所へ戻ったので、僕は言われた通り扉から少し離れた所で待っていると慌てた様子のナニーさんがやって来た。
ナニーさんに駆け寄りながらどうしたのか尋ねようとする前に、
「ノーリ君、何もなかった?」
と先に聞かれたので、
「ありました…」
と具体的な内容ではなく、あった事だけを伝えた。
それだけでナニーさんは、何となく起こった事を察したような表情をする。
「そうなのね… て事は、ぐーちゃんは、やっぱりこっちにいたのね?」
「はい。」
「ごめんね、ノーリ君。私が勝手に、ぐーちゃんはもうお風呂から上がっていると思っていたから…」
そうだったのかと納得する。
「大丈夫です。グラディウスさんからも許して貰いましたので。」
「そう言って貰えると私としても助かるわ。」
そうやり取りしている内に、グラディウスさんが出てきた。