227話・少し前の出来事
ぐーちゃんと別れて、台所へとむかう。
「色々任せてごめんね、アリー。」
「大丈夫です。今は、ライア様のお弁当を先にご用意していますけど良かったですか?」
「えぇ、それで大丈夫よ。私も手伝うから、先にそっちを終わらせましょうか。」
「はい、分かりました。」
2人で夕食の準備の前に、ここに来ていないラーちゃんの分のお弁当を先に作り出す。
お弁当を作り終えると、
「それじゃあ、私はこれをラーちゃんに届けてくるわね。」
「分かりました。では、私はこのまま夕食の準備をしておきますね。」
「うん、お願い。あ!! 2人の部屋の準備はどうなってるかな?」
「それなら、もう準備は終えております。」
「そっか… ありがとう、アリー。それじゃあ、行ってくるわね。」
「分かりました。」
台所を出てから、玄関へとむかおうとした所で、リビングでオロオロしているノーリ君を見つける。
顔色が少し悪そうだったので、声をかける。
部屋で横になるか尋ねると、風にあたってくるとの事だった。何となく、逆上せている訳じゃないのかなと思い、それならラーちゃんのお弁当を頼むとすぐに了承してくれたのでお願いし、ノーリ君を見送った後、台所へと戻った。
「あれ、ナニー様どうされたのですか? 忘れ物ですか?」
「ううん違うわ。そこで、ノーリ君と会ってね、ラーちゃんへの弁当は、ノーリ君に任せたから、私も手伝うわ。」
「そうなんですね。なら、お願いします。」
今日は、ぐーちゃんたちもいるから、いつもより豪勢な食事を2人で作っていく。
粗方作り終えた所で、1度ぐーちゃんの様子を見に行くと、案の定えっちゃんの寝ている部屋にいた。私と別れた後、ずっとここにいたのだろう。
「ぐーちゃん、お風呂には入ったの?」
「ナニーさん… すみません、まだ入ってないですね…」
「そう… なら新しくお湯をいれるから、今から入って体を休めたらどう? ここに来る迄に随分汚れたでしょ。それに、ちょっと臭うわよ。」
ちゃんと入って貰う為、有る事無い事言って、少しでもその気にさせる。
「酷いですよ、ナニーさん。でも、そうですね… 分かりました。」
「それじゃあ私は、先にお湯をいれなおして来るから、すぐ来るんですよ。」
私は、そう残して部屋を出てから、浴室へとむかう。お湯をいれなおした所で、ぐーちゃんが来たので、再度ゆっくり入るように伝え、その場を後にする。
台所へ戻ってからは、残っていた事を終わらせていく。
「そう言えば、もう夕食が出来ますが、ノーリ様は帰って来ているのでしょうか?」
「!?」
アリーに言われ、そう言えばと思い出す。
「まだ帰ってきてないわね。私ちょっとその辺を探してくるから、後はお願い。」
アリーにそう伝え、探しに行こうとした所で、ノーリ君が帰ってきた。