222話・秘薬の名前
確か呪いに効くポーションがあると聞いた事があるので、そう聞いてみるが、ナニーさんは、首を横に振るだけだった。
「そうなんですね…」
僕にも妹がいるので、妹の為に、必死になってその秘薬とやらを探しているグラディウスさんの気持ちが痛いほど分かる。
僕は、少しでもそのエルマーナ様を助ける為の手助けが出来ないか考えてみると、すぐ妙案を思い付いた。
「ナニーさん、1つ質問をしていいですか?」
「何?」
「その秘薬って、正式名とかはあるんですか?」
僕は、その秘薬の名前を聞いて、宝箱作製で作製できるのではないかと考えたからだ。
「あぁ、通称はエリクサーと呼ばれているわね。」
「エリクサーなんですね。」
「えぇ、そうよ。」
よし。エリクサーなら、レシピ検索にも載っていたし、素材の準備も魔力交換を使えば出来る。
「教えてくれて、ありがとうございます。」
「いいのよ。他に聞きたい事はない?」
「大丈夫です。」
「そう。なら、お風呂に入ってゆっくりして…」
扉をノックする音と共に、グラディウスさんが部屋に入ってきた。
「戻ってきたのね、ぐーちゃん。丁度良かったわ。」
「? あぁ、ノーリ君に、私の事を話したんですね。」
すぐに、ここで起こった事を理解したようだ。
「えぇ、そうよ。駄目だった?」
「大丈夫ですよ。それより、ノーリ君。」
「何ですか?」
「話を聞いたんだから、何かあったらノーリ君にも手伝って貰うからね。」
ウインクしながら、そう言ってきた。
「出来る範囲でなら手伝います。」
僕は、こう答えておく。
「それで構わないわ。頼りにしてるわね、ノーリ君。」
「ぐーちゃん、それノーリ君に、プレッシャーをかけているわよ。」
「あ!! そんなつもりで、言った訳じゃないのよ、ノーリ君。」
ナニーさんの言った事に、グラディウスさんが急に慌て出す。
「大丈夫ですよ、グラディウスさん。僕は、気にしていませんから。」
「ふふっ。良かったわね、ぐーちゃん。」
笑っているナニーさんを、グラディウスさんは、一瞬睨み付けたが、ナニーさんの笑顔が崩れそうにないのを悟ったのか、ため息を溢したていた。
「はぁ… そう言えば、ノーリ君はお風呂済ませたの?」
「まだよ。お風呂に入るように言おうとした所で、ぐーちゃんが来たんだから。」
僕が答える前に、ナニーさんが答えてくれる。
「そうなんですね。なら、私は後でいいから、ノーリ君は、お風呂に入ってきたらどう?」
グラディウスさんがそう言うと、ナニーさんもそれに同意し、ナニーさんに案内され、お風呂へ入りにいった。