閑話・通路作り
パーティーを抜けた後、色々あり、家へと戻ってきていた。
エルマーナの状態を確認した後、ライアと協力して秘密の通路を急いで作り始めた。
場所は、少し離れた森の中にした。
私も土を掘ったりもしたが、殆ど土の精霊に掘って貰っては土を運んで貰い、壁の強化までして貰った。
正直、精霊魔法が使えなかったら、途中で諦めていた自信がある。
そんなこんなで、秘密の通路作りをしながら、エルマーナの好きな花を家の外に植えたり、2人きりで話したりと今まで出来なかった妹との触れ合いをしながら、過ごしていった。
そして、秘密の通路は、途中何度も何処に掘り進めていいか迷いながら、自分の記憶や地上まで掘ってから周りを確認するという荒業を使ったりしながら、やっとリーベの拠点の近くまで掘り進めた。最後に、上へと続く穴を掘っていき、予定通りの場所に出る事が出来た。
◆
私は、グラディウスに頼まれた秘薬の情報をかき集めていた。だけど、やはりというか秘薬は、とても貴重な品なので、今の所集めた情報は、全てデマ情報だった。
今日も、情報を集める為の準備をしていると、裏庭で物音がした。裏庭には、三方を塀で囲っている為、誰も入ってこれない筈だ。
だから、野良猫でも入ってきたのかなと気にしないで準備していると、
「リーベいる!!」
裏庭の方から、いる筈のない人の声が聞こえてきた。
私は、不思議に思いながら、おそるおそる裏庭に続く扉の方へとむかう。
「リーベいないの?」
扉をドンドン叩く音と共に、またしても声が聞こえる。どうやら、聞き間違いではないようなので、鍵を開け扉を開くと同時に、ゴンッと何かにぶつかった。
あ!! と思っていると、
「痛いじゃない、リーベ…」
途中まで開いていた扉を開け、額を手で押さえながら、恨めしそうにこちらを見てくるグラディウスが入ってきた。
「ごめんごめん。それで、何で貴方は、裏庭にいるの? 表から来たらそんな事にはならなかったでしょう?」
「うっ… それはそうだけど、こっちも色々あるのよ」
「その色々を説明して欲しいんだけど?」
「分かってるわよ。とりあえず、こっちに来て」
そう言ってから、グラディウスは踵を返したので、私も後に続き裏庭に出ようとすると、グラディウスの近くにもう1人いるのを見つける。
「あら、ライアじゃない、久しぶり。元気にしてた?」
「久しぶり… 元気…」
「それは、良かったけど、何で貴方まで…」
ここにいるのと続く前に、ライアの後ろにあった穴に目がいってしまった。