閑話・脱退
私は、エルマーナの事を2人に任せて家を後にした。
家を後にした後は、すぐに私は、活動拠点のある王都に戻りパーティーメンバーにエルマーナの事を説明したり、リーベにも協力を仰ぎ情報を集めて貰った。
かなり無茶をしてダンジョンに挑み続け、階層が進むに連れて、様々なアイテムを手にいれる事ができた。役に立ちそうなアイテムもあったのだが、肝心の秘薬を手にいれる事は出来なかった。
リーベの方も、集めた情報が、全てデマ情報や偽物ばかりだったようで、全くと言っていい程進展がなかった。
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その後も、ダンジョンを攻略していき、今まであった最高到達階層追い抜いたりもしたが、その分、1階層ごとの攻略にかかる時間が更に増え、焦りや苛立ちもあってか、注意力散漫となった私は、何度も死にかけてしまった。
それもあってか、改めて今後どうするのか考えさせられた。
そして、考えた結果、こんな状態のまま探索を進めても、探索の邪魔になり、それどころか、仲間を危険にさらす可能性も増えてしまうと判断した私は、パーティーを抜けてしまおうと決めた。それだけでなく、ダンジョンを攻略にあてていた時間を、今までリーベだけに任せていた情報の精査にあてる事によって、より多くの情報を確認できるし、今更ながらエルマーナのいる家へと早く戻る為の道作りをしようとも思ったからだ。
そう決めた後、すぐ実行に移した。
パーティーメンバーたちに、パーティーを抜ける事を話すと最初は止められもしたが、最後には理解してくれた。
冒険者ギルドにも、私がパーティーを抜けた事を報告した際に、今まで目にかけてくれていたギルドマスターから理由を聞かれたので、秘薬が欲しく、その情報集めをする為だと伝えると、それならギルド職員になる事を勧められた。
最初は断ったのだが、ギルドで入手した情報を無償で提供してくれるという条件を提示された。
少し迷った結果、職員になるのは、今から1ヶ月後で、情報があった際は、そちらの方を優先させて貰うという条件を追加して、ギルド職員(何故かギルドマスター輔佐)になった。
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ギルドマスターと話をしてからすぐに、エルマーナの様子を自分の目で確認する為に、1度家へと戻った。
リーベ経由で渡して貰っていたダンジョンで手に入れた呪詛耐性の装飾品の効果のおかげか、エルマーナは今の所まだ大丈夫そうだった。
それを確認してから、ライアと協力して秘密の通路を急いで作り始めた。
作者より(捕捉)
以前、エルフの国に行くのに3ヶ月かかると書きましたが、それは複数の入国審査をしなければならず、それを待つ期間を含めてのものです。
グラディウスのいたパーティーは、グラディウス脱退後、少しして解散しパーティーメンバーは、それぞれの道を歩んでいます。因みに、グラディウスと稀に連絡を取り合っていたりしてます。