閑話・説明
入り口につくと、少し大人びているが、確かにぐーちゃんがそこに立っていた。
「あ、ナニーさん。お久しぶりです。」
「久しぶりね、ぐーちゃん。とりあえず、こっちにきてちょうだい!!」
「えっ!!」
私は、今起こっている事を説明しようと思い、ぐーちゃんの腕を掴み、えっちゃんの部屋へと引っ張っていく。
ぐーちゃんも、私の様子をみて、何かを感じ取ったのか、何も言わずについてきてくれた。
部屋に入ると、えっちゃんが立って待っていた。
私が、慌てて駆け寄ろうとする前に、ぐーちゃんが駆け寄り、抱き締めていた。
「ただいま、エルマーナ。見ない間に、大きくなったわね…」
「おかえりなさい、お姉様。私だって、成長しますよ…」
「それもそうね…」
少しの間、抱き合っていたが、
「それで、エルマーナはどうしてそんなに弱っているの?」
「それは…」
いい淀んだえっちゃんの代わりに、
「ぐーちゃん、そこからは私が説明するわ。とりあえず、えっちゃんを横にならせてちょうだい。」
「分かったわ。」
「きゃ!!」
急に抱き上げた事で、えっちゃんが驚いて声を出していた。
ぐーちゃんは、そのままえっちゃんを横にならせてから、目で話を催促してくる。
私は、今起こっている事やこれから行おうとする事を説明していく。
話が進んでいく内に、ぐーちゃんから怒りがこみ上げているのが分かる。
全て話終えると、
「そう… そんな事があったのね…」
寝てしまったえっちゃんを撫でながらそう呟く。
「よし、決めた!!」
「…ぐーちゃん、そんなに意気込んで、何を決めたのか教えてくれる?」
「知ってそうな奴を片っ端からぶちのめして、エルマーナを治す方法を聞き出すって事よ。」
「はぁ…」
ぐーちゃんったら、冒険者になって、かなり好戦的になってるわね。
しかも、今にも部屋を出ていこうとするので、
「あいた!!」
とりあえず、頭をひっぱたいておく。
「何するんですか、ナニーさん!!」
「何するんですかじゃないわよ、ぐーちゃん。前にも言ったと思うけど、考えなしの行動は止めなさいと言ったでしょ。」
「うっ… だけど…」
「だけどじゃない!!」
「はぁ… 分かりました。」
「それで、いいのよ。それより、ぐーちゃんは、いつまでここにいるの?」
「暫くは、いるつもりよ。」
「そう。なら、今からマリクとレジーナの所へ行って、今後の話をしに行きましょう…」
バタン!!
「グラディウスはここか!!」
「「うぉ!!」」
マリクが、勢いよく開いた扉から入ってきた。