閑話・密談
私は、部屋を出て、えっちゃんの体調が悪い事の報告へとむかった。
報告すると、すぐに医者を手配するとの事だったので、後の事は任せて私は戻っていった。
数日には、また元気なえっちゃんの姿を見れると思って…
◆
あれから数日が経過した。
えっちゃんの事を心配していた私は、毎日様子を見に来ているのだが、体調が改善する事はなかった。
診察してくれた医者も他に悪い場所がなく、体が重たいと感じている理由の原因も分からないと言っていた。
起きている時に、えっちゃん自身にも確認しても、体が少し重たいだけで、他に悪い所はないと思うから大丈夫と言っている。
だけど、毎日様子を見に来ている私からしたら、日に日に声をかけてから目を覚ますまでの時間が、少しずつではあるが長くなっている気がするので、やはり何かあるのではと心配してしまう。
それは私だけでなく、この国の国王様のマリクや王妃である私の妹のレジーナもかなり心配しており、自分たちだけでなく部下たちにも指示を出し、原因を調べている。だから私も、少しでも力になれるように、一緒に調べている。
すると、かなり古い文献で気になる内容を見つけた。その書かれてある内容を詳しく調べた結果、少し症状の違いはあるものの、今のえっちゃんの状況と似ていた。
私はすぐに、その事を2人にだけ伝えた。
「呪詛か…」
「確実とは言いませんが、古い文献と今のえっちゃんの症状を見比べて、似通った部分があるのは間違いないですね。」
「そうか…」
「でも、どうしてエルマーナがそんな事になるの!!」
レジーナが、怒鳴りたい気持ちも分かるが、ここで怒鳴ったところで何かが変わる訳ではない。
「落ち着きなさい、レジーナ。」
「ご… ごめんなさい、お姉ちゃん…」
「いいのよ。気持ちは、分かるから…」
レジーナが落ち着いた所で、
「…それで、理由はなんだと思う?」
マリクからそう聞かれたので、考えていた事を伝える。
「やはり、そうか…」
マリクも同じ事を考えていたのか、そこまで驚いた顔をしなかった。
「いったいどうするのあなた… このままだと、エルマーナが…」
「分かっている。だが、慎重に事を運ばないと、他の手を使ってこないとは限らないしな…」
「そうですね。もしかしたら、待てずに、今度は直接命を狙ってくる可能性もありますね。」
私たちは、もう暫く3人で話し合い、今後の対策を決める。
マリクたちは、信頼でき口の固い回復術師… と言っても、えっちゃんを診察してくれた医者に解呪を頼み、私がポーションを用意する事で話がまとまった。