219話・話
リビングに戻り、今度はソファに座って、対面にナニーさんが座った。
「ちょっと、待ってね。」
「?」
コンッコンッ
と、扉をノックする音が聞こえる。
「入っていいわよ。」
ナニーさんが入室許可を出すと、
「失礼します。」
そう言って、1人の少女が入ってきた。
「ノーリ君。彼女は、私と一緒にここを管理している家妖精のアリーよ。」
ナニーさんに紹介された後、
「ご紹介にあずかりました、アリーと申します。よろしくお願いします。」
挨拶しながらアリーさんが、頭を下げてきたので、僕もすぐに慌てて立ち上がり、
「僕は、冒険者をやっています、ノーリと申します。こちらこそ、よろしくお願いします。」
と、アリーさんと同じく頭を下げる。
「それじゃあ、自己紹介も終わったようだし、アリー悪いけどお茶の用意をお願いしていいかしら?」
「はい、かしこまりました。」
アリーさんは、一礼してから部屋を後にする。
「それじゃあ、すぐにアリーがお茶を用意してくれると思うから、ノーリ君も座ってちょうだい。」
「分かりました。」
椅子に座り直し、少ししてティーセットを持ってきたアリーさんが戻ってくる。
「ありがとう、アリー。」
「いえ、では私は失礼します。」
アリーさんは、ティーセットをナニーさんに渡してから、すぐに部屋から出ていった。
どうやら、夕食の準備をしてくるんだそうだ。
アリーさんがそのままお茶をいれてくれ話が始まった。
「まず始めに、ぐーちゃんがどのような立場なのか聞いてる?」
「グラディウスさんの立場? ギルドマスターの事ですか?」
ナニーさんは、数回首を横に振ってから口を開く。
「いえ、違います。ノーリ君は、エルフの国・メァーディスの事は知ってる?」
「簡単ではありますが、道中にグラディウスさんから話は聞いてます。」
「なら、大丈夫ね。それで、ぐーちゃんは、その国の第一王女なの。」
「…王女? 誰がですか?」
「だから、ぐーちゃんよ。」
「え… グラディウスさんって、王女様だったんですか!?」
「えぇ、そうよ。」
「え、でもグラディウスさんって、元冒険者でしたよね?」
「そうよ。ぐーちゃんったら小さい頃から、冒険に憧れていてね、冒険者になるんだってかなり頑張って、宣言通りに、冒険者になったのよ。」
「そうだったんですね。」
「それでね、ぐーちゃんには、妹が1人いるの。」
「もしかして…」
「そうよ。ぐーちゃんがここに会いに来たのが、その妹の第二王女・エルマーナ様よ。」
どうやらこの家に王女が2人もいるらしい。