表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

235/389

217話・待っていた人

 グラディウスさんの後に続き、花畑の中に作られている道を進んでいくと、一軒家が見えてきた。


「あれが今回の目的地よ。」


「あれが…」


 近づくにつれて、全貌が見えてきた。

 家の周りには、高い柵のようなものがあり迂闊に入れないようになっている。

 その柵の中へ、グラディウスさんの後に続き入っていく。

 家じたいの1階建てのいわゆる平屋と呼ばれるものだった。


「入り口は、こっちよ、ノーリ君。」


「はい。」


 平屋の扉をから中へ入ると、


「いらっしゃい、ぐーちゃん。あら? 今日は、珍しくお客様もいるのね。」


 何故か、そこには隣街で別れた筈のリーベさんが出迎えてくれた。


「お邪魔します、ナニーさん。ノーリ君、この方は、リーベのお母さんで、私の乳母を勤めてくれた人よ。」


「そうなんですね。ぼ… あ、いえ、私は、冒険者をしてます、ノーリと言います。一応今回は、グラディウスさんの護衛という形で同行させて貰っています。」


 リーベさんの顔にそっくりな、ナニーさんに挨拶をする。ん? リーベさんがナニーさんにそっくりなのか?


「これは、ご丁寧にありがとうね。私は、先ほどぐーちゃんが言ってたように、リーベの母で、ぐーちゃんの乳母をしていたナニーよ。それで、ノーリ君は、ぐーちゃんの護衛をしているって事は、とても優秀な子なのね。」


 それは違いますと否定する前に、


「そうよ。私も注目している、かなりの有望株よ。」


 と、先にグラディウスさんが言い出したので、否定するタイミングを逃してしまった。


「そうなのね。ぐーちゃんが言うから、間違いないわね。」


「えぇ、そうよ。それで、ナニーさん、エルマーナはどう?」


 急に、声の質が変わったグラディウスさんの質問に、ナニーさんは、首を横に振るだけでそれに答える。


「そう…」


 なんとなくしんみりとした空気が漂う。


「ぐーちゃんたちは、今日は泊まって行くでしょ?」


 そんな空気を払拭するかのように、そう聞いてくる。


「はい、そのつもりです。ノーリ君も、大丈夫よね?」


 秘密の抜け穴の通って来る途中に、何泊するかもと聞いていたので、


「はい、大丈夫です。」


 と答える。


「なら、長旅で疲れたでしょ。すぐに、お風呂の準備をするから、ぐーちゃん、ノーリ君をリビングに案内してあげて。」


「分かりました。ノーリ君、リビングは、こっちよ。」


「はい。」


 グラディウスさんに案内されリビングにつくと、


「それじゃあ、ノーリ君は、ゆっくり休んでいて。私は、少し席を外すわ。」


「分かりました。」


 グラディウスさんは、すぐにリビングを後にし、どこかへ歩いていった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ