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215話・巨木

 その後も変わりない日を過ごし、3日目に入った。

 朝食を済まし、ライアさんが動かす荷馬車に乗り込み、進んでいく。

 暫く進んだところで、


「そろそろつく…」


 と、ライアさんが教えてくれる。

 道中どうやって、ランプの僅かな光の中、壁にぶつからないで進んでいるのか聞いてみたら、大まかな時間を把握しているのと同じで、何でも天井に張り巡らしている木の根などをから位置なども把握しているとの事だった。


「了解… と言っても、特にする事もないんだけどね。一応、ノーリ君も降りる用意だけしておいて。」


「分かりました。」


 降りる用意と言っても、クッション類の回収は、降りる時にするから、本当にする事がなかったので、つくのを大人しく待っておいた。



 ◆



「ついた…」


 ライアさんがそう言うと、荷馬車が止まった。


「ありがとう、ライア。それじゃあ、行こうか、ノーリ君。こっちよ。」


「はい。」


 僕は、荷馬車から降り、グラディウスさんについていく。僕の後ろからは、荷馬車(馬込み)を人型に変え、それに自分を運ばせるライアさんもついてきてくる。

 何度か分かれ道を経由しながら進んでいき、来た時同様に、階段を上っていく。ある程度上るとグラディウスさんが立ち止まり、何かを呟くと、頭上の土が徐々に横へと移動していく。


「ノーリ君、ここを出たら頭上が低くなっているから、気を付けてね。」


「分かりました。」


 先にグラディウスさんが外に出て、僕も後に続く。

 外は、グラディウスさんが言った通り、四つん這いになって進むくらい低かった。

 そのまま光が差す方へ、少し四つん這いで進むとすぐに立ち上がれる場所に出た。

 体をぐっと伸ばしながら、振り返って見ると、後ろには巨木があり、今四つん這いで進んだ場所は、どうやらその巨木の根の間だった。

 穴が木の下にある事と今まで見た木の中で、1番の大きさに驚く。


「凄いでしょ。トンネルを掘った穴の上に、ライアの力で、木を生やして貰ったの。一応、秘密の抜け穴として使うからね。」


「そうだったんですね。」


 改めて、本当に秘密の移動手段だと言うことを思い知らされる。

 ライアさんと人型の木も間から出てきて、出てきたライアさんに、グラディウスさんが話しかける。


「それじゃあ、ライアここをお願いね。」


「分かった…」


 人型の木が、周りにある木と変わらない普通の木に変わると、ライアさんがその木と同化した。何故そんな事をするのか聞いてみると、ライアさんはここで、穴の見張りをしてくれるとの事だった。

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