表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

230/389

212話・僕の出来る事

 僕は、僕で出来る事をしようと思った。

 と言っても、木魔法で出来た馬の操作は、ライアさんしか出来ないし、グラディウスさんみたいに、精霊にお願いする所か、話す事も出来ない。それに、このトンネルの周りの土は、土の精霊たちによってかなり頑丈に作られているらしく、モンスターや人と出会う事はないみたいで、自然と僕が出来る事は限られてくる。


「なら、食事の用意は任せて下さい!!」


 アイテムボックスの中には、かなりの量の食材を入れてあるし、それならお役に立てると思い提案する。


「…分かったわ。そこまで言うなら、お願いするわね、ノーリ君。ライアもいいでしょ?」


「構わない…」


「はい、任せて下さい。」


 2人の了承も得れたので、到着するまでの3日間、そっちを頑張ろうと思う。



 ◆



 馬は、木で出来ており、止まって休ませる必要がないとの事で、お昼はそのまま走らせ、荷馬車の上で食べれる簡単な物(街で購入していたパンや家のダンジョン産の果物など)で済ませ、夕食は、しっかりとした物を作った。


「いや、トンネル内で温かい食べ物が食べれるとは思わなかったよ。これも、ノーリ君がいてくれたおかげね。」


「喜んで貰えて良かったです。」


 普通なら、こんな狭い空間で、火を起こすと危ないと言われ、温かい料理は中々食べられないのだが、僕の場合は、火を使わず魔道具で温めるので、その心配もなかったからだ。


「果物も欲しい…」


「分かりました。」


 ライアさんは、お昼に食べた果物が気に入ったようで、夕食の時も、要求してきたので、アイテムボックスから取り出し手渡す。


「はい、どうぞ、ライアさん。」


「ありがとう…」


 ライアさんは、美味しそうに食べてくれた。

 その後は、番をする人は必要ないので、皆で休む事になった。だけど、荷馬車の上で3人で寝るには狭いし、かといって広くても流石に一緒にとはいかない為、僕は、買っておいたテントの中に寝具を敷いて休んだ。



 ◆



 私は、周りにいる精霊に、ノーリ君が寝た事を確認して貰ってから、横にいるライアに小声で話しかける。


「ねぇ、ライア?」


「…なに?」


 既に寝ていたのか、やや眠たげな声だった。


「起こしては悪いわね。」


「別にいい… それでなに?」


「えっとね、ライアは、ノーリ君の事どう思う?」


 何となく、ノーリ君の印象を聞いてみる。


「人族なのにいい子…」


「ふふ、そうね。まぁ少し、純粋過ぎる気もしなくはないけどね。」


「後、何となく同族の気配を感じた…」


「え… ライア、それはちょっと初耳なんだけど?」


「今言ったから、当たり前…」


「いや、まぁそれはそうなんだけど… それで、いったいどういう事なの?」


「言った通り… 何となく、そんな感じがしただけ…」


「そう…」


「もういい? 眠いから寝る…」


「あぁ、悪かったわね。おやすみ、ライア。」


「おやすみ…」


 すぐに横から寝息が聞こえる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ