207話・再び
モンスターや盗賊などに襲われるような事もなく、3日後のお昼頃に、無事に隣街に到着した。
そのまま街の中へと入り、先に借りていた馬車を返す。
「グラディウスさん。この後はどこに行くんですか?」
教えて貰っているのは、最初の目的地はここだけという事で、ここからどうするのか聞いてなかった。だけど、馬車を返したと言う事は、そう遠くまで行かないと思うので、次にどこへむかうのか尋ねてみる。
「お腹も空いてきたし、お昼も兼ねて、リーベの所に行こうか。」
「リーベさんの所ですね、分かりました。」
「それじゃあ、行きましょうか。」
「はい。」
僕たちは、リーベさんのお店へむかう。
◆
「いらっしゃい。あら、グラディウスじゃない。またこっちに来てたのね。」
「やる事が一区切りついたから、一度、妹の所に帰ろうと思ってね。」
「そう… あら、ノーリ君も来てたのね。いらっしゃい。」
「お久しぶりです、リーベさん。お邪魔します。」
「それで、リーベ。帰る前に、ご飯お願い。」
「分かったわ。ちょっと、待っててね。」
リーベさんは、そう言ってから奥へと引っ込んでいき、僕は、グラディウスさんの後に続き、この前と同じ個室へと入った。
その後、リーベさんが持ってきた食事を食べ終え、グラディウスさんは、リーベさんと話があるとの事で、部屋を後にした。
◆
部屋を出て、少し離れる。
「それじゃあ、リーベ。いつものやつお願いね。」
「それはいいけど、ノーリ君はどうするつもりなの?」
「連れていこうと思ってるわ。」
「…本気?」
「えぇ、本気よ。それに、リーベだってこの前ノーリ君の事をいい子って言ってたじゃない。」
「確かに言ったけど、それはそれ、これはこれよ。」
そう言いながら、リーベは私を暫く見てくるが、私が意思を曲げないと分かったのか、
「はぁ… 分かったわ。でも、何かあったら責任はちゃんととりなさいよ。」
「分かってるよ。」
「なら、私は先に行ってるから、グラディウスは、ノーリ君を連れてきて頂戴。」
「分かったわ。」
私は1人、ノーリ君の元へ戻る。
◆
部屋で待っていると、グラディウスさんが1人で戻ってきた。
「リーベさんとの話は終わったんですか?」
「えぇ、終わったわ。それで、今から移動するからついてきて。」
「分かりました。あ、でもお皿の片付けをしないと…」
「リーベに頼むから大丈夫よ。さ、行きましょう。」
「分かりました。」
僕は、グラディウスさんの後についていく。
グラディウスさんは、店の奥へ入っていき、そのまま裏口から外へと出ていった。