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204話・不思議な子

 ノーリ君が作ってくれている夕食を眺めながら、やっぱり不思議な子だなと改めて思う。

 珍しいアイテムボックススキル持ちは、まぁ置いといて、そこから出てきたのは料理用の魔道具だった。

 確かに高位の冒険者や貴族などなら持っていて不思議ではないが、ノーリ君はついこの前までDランク冒険者だったので、魔道具を持っている事じたいかなり珍しい。

 それに、普段からの立ち回り方など以前会った時と比べかなり洗練されているように見える。

 私は、出された料理に舌鼓(したつづみ)を打ちながら、話を聞いてみた。


「この1週間、何をして過ごしていたかですか?」


「えぇ、そうよ。この前分かれてから、かなり成長しているように見えたから。」


「えっと… グラディウスさんに言われた通り強くなる為に、ダンジョンで、モンスターを倒したりしてました。後は、妹たちと過ごしたりですね。」


「…そう。」


 ダンジョンのモンスターを倒していたね…

 たぶん、それだけではないと思うが、無理に聞き出そうとは思わない。


「でも、ノーリ君。頑張っているのはいい事だけど、家族がいるんだから、無理だけはしちゃ駄目だよ。」


「はい、分かってます。」


「なら、いいけど… そう言えば、ノーリ君に聞きたい事があったんだけどいいかな?」


「僕に、聞きたい事ですか? それは、構いませんが何でしょうか?」


「1度ノーリ君に会いに行った時に家から出てきたあの女性はどなたなの?」


「!? ゴホッ… ゴホッ…」


「大丈夫?」


「だ… 大丈夫です。それで、何でしたっけ?」


「だから、家から出てきた女性はどなたなの?」


「えっと… その、親戚の方です。」


「へぇ、親戚の方ね… 私が行った時に、かなり大胆な格好で出てきたけど、いつもそうなの?」


「ち… 違いますよ。たまたまです、たまたま。そ… それより、グラディウスさんの冒険者時代の話を聞かせてくれませんか?」


「私の話?」


「はい、お願いします。」


 明らかに、話題を変えてきたけど、一応聞きたい事は聞けたので、そのお返しではないが、話を聞かせてあげる。



 ◆



 何とか、アコについての話題を変えられ、グラディウスさんの話を聞けた。

 やはり噂などで聞いた話より本人から聞いた話の方が臨場感があり、とても為になった。

 話を聞き終えた頃には、日は既に暮れていた。


「それじゃあ、そろそろ休みましょうか。ノーリ君、先に休む?」


 グラディウスさんはそう言ってくれるが、


「駄目ですよ!! 僕は、一応護衛なので、夜の間番をしてますから、グラディウスさんが休んで下さい。」


 そう言うのだが、それだと昼の護衛に差し支えるとの事で、交代で休む事になり、先に、グラディウスさんが休む事になった。

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