17話・ダンジョンへの準備
いつもより少し早く目が覚めた。昨日は早めにモンスター狩りを辞めて、早く寝たから疲労感は残っておらず、完全に回復している。
起きようと思ったが、体が少し動かしにくかった。横をむくと、いつものように、ソフィアが僕に抱きついて寝ていた。苦笑いを浮かべつつ、ソフィアをひきはがす。起き上がった後は、軽くソフィアの頭を撫でた後、朝御飯の準備をしてあるポリーナさんを手伝いをしに行く。ご飯を食べた後、宝箱作製で作ったアイテムを確認しておく。
身体強化の皮鎧 ・・・ 身体強化(1.2倍)の付与された皮鎧。装備時、装備者に身体強化付与。
水袋に入ってある回復薬(小) ・・・ 飲んで良し、かけて良しの回復薬。効能は、小回復(2割)。
確認を終えた後は早速、冒険者ギルドにむかった。
◆
ギルドについた後、マリヤさんの列に並ぶ。
「おはよう、ノーリ君。今日も回復草採取の依頼かしら?」
「いえ、今日は、ダンジョンについて調べに来ました。」
「ま… まさかノーリ君貴方、ダンジョンに挑むつもり?」
「はい。そのつもりです。」
「ぱ… パーティーを組んだのよね?」
「いえ、いまだソロですね。まぁ、ソロはソロで気楽でいいですよ?」
「本当に、行くつもりなのね?」
「はい。」
「分かったわ… その代わり無茶だけはしないでね。」
「大丈夫ですよ。無茶なんかする気はありませんから。」
「ふふ、そうね。一応、ギルドの書庫に出てくるモンスターについて書かれている本があるわ。書庫の使用料は、100ギル銅貨になるわ。」
「階層の地図なんかはありますか?」
「地図はあるけど、各階層ごとによって金額は違ってくるわ。どうする?」
お金か… 手持ちに余裕がある訳ではないんだよな…
僕は、100ギル銅貨を取り出し、カウンターの上に置く。
「…書庫だけ、使用させて下さい。」
「ふふ、分かったわ。書庫は、カウンター横の扉よ。持ち出しは厳禁だから気を付けてね。」
「分かりました。ありがとうございます。早速、拝見させて貰います。」
僕は、そのまま書庫へむかう。
中は、本棚と机、椅子だけの簡素な作りで、少し埃臭い。だけど、窓はない為我慢して、ダンジョンについての本を探す。
「これだな…」
僕は、1冊の本を本棚から取り出し、読み始める。
まずは、簡単なダンジョンについてからの説明から始まり、王国にあるダンジョンのモンスターや地形についてなど書かれてあった。
だけど、1~20階層までの大まかなモンスターしか書かれていなかった。地形については、1~10階層までが洞窟、11~20階層が草原などの簡単説明しか書かれていなかった。それでも、かなり有意義な時間を過ごせた。調べ終えた後は、マリヤさんに挨拶をしてから、ダンジョン攻略に必要な物の買い物にむかった。
だけど、手持ちのお金はそこまでないので、簡単火起こしセットやダンジョンマッピング用の羊皮紙など本当に必要なものだけ購入しておく。準備を終えた時には、もう昼過ぎだった。ご飯を手早く済まし、よりいっそう気を引き締め、ダンジョンのある方角へ歩きだした。