201話・出発
僕は、ソフィアとアードちゃんを連れて、王都のダンジョンにやって来ていた。
アードちゃんの戦闘は先程見せて貰ったけど、やはり少し心配だし、ソフィアも久しぶりのダンジョンだから、1人の時より慎重に探索しながら進んでいった。
ある程度進んだ所で切り上げ、家へと帰った。
夜には、持って帰った魔石などを使ってアイテムの製作をする。
次の日からも同じように過ごしたり、息抜きで皆で、ダンジョンで遊んだり、ダンジョン内を少しいじくったりしながら、護衛依頼のある日まで過ごした。
◆
~出発当日~
僕は、家の玄関で皆に見送られていた。
「それじゃあ、お留守番は頼んだよ。」
「うん、任せて!!」
「任せて…」
「はい、任せて下さい。」
「かしこまりました、マスター。」
今回の護衛依頼はどのくらいの期間になるのか分からないので、家の事をソフィアに頼んだ。
ドリさんやアードちゃんには、新しく1階層(ドリさんたちの家の近く)に作った畑もどき(ダンジョンの土を耕し、宝箱製作で作った魔力土を掛け合わせて作った畑)の管理をお願いした。
「ありがとう、皆。じゃあ、行ってくるね。」
「「「「行ってらっしゃい、お兄ちゃん (ノーリさん) (マスター)。」」」」
僕は、待ち合わせ場所のギルドへむかった。
到着した時には、既にグラディウスさんが待ってくれていた。
「すみません、グラディウスさん。遅れました!!」
「大丈夫よ、ノーリ君。まだ、時間前だしね。」
「なら、良かったです。それで、すぐ出発するんですか?」
「いや、その前にやっておく事があるから、一緒にギルドに入ろうか?」
僕は、グラディウスさんの後に続き、ギルドに入り、手渡された依頼書を受付のマリヤさんの所へ持っていき、依頼を受ける。依頼を受けた後は、グラディウスさんとギルドの外に出る。
出てから、ある事を聞いてみる。
「そう言えば、グラディウスさんの故郷にはどうやっていくんですか?」
「近くの街まで馬に乗って、そこからは、歩きで行こうと思うのだけど、ノーリ君は、馬には乗れそう?」
「すみません… 乗れないですね…」
僕は、馬に乗った事ないので、そう答える。
「そっか、分かったわ。」
「すみません…」
もう一度謝るけど、気にしなくていいと言ってくれる。
その後、グラディウスさんより、街の外で待っているように言われ一度別れる。
僕は、言われた通り、街を出た所で、待っていると、グラディウスさんがやって来た。やって来たのはいいのだが、グラディウスさんは、何故か1頭引き馬車の御者をしていた。
作者より(捕捉)
魔力土 ・・・ 魔力を多く含み、魔力が微生物の代わりを担い、良質な土になったもの。