197話・モンスター化の確認 3
アコに、大狸が従魔になったのかを確認する。
無事なっているとの事なので、僕は、大狸に対し、念話を使ってみる。
『僕の声が聞こえるかな?』
そう念話を送ると、一瞬身体をビクッとさせた後に、
『聞こえる』
と答えてくれる。
『それなら、良かった。それで、君たちに言いたい事があるんだけど、その前に、君に名前はあるのかな?』
『ない』
『そうなんだ… 他の狸たちにも、ないのかな?』
『ない』
『そっか…』
『なら、僕たちでつけてもいいかな?』
『うん、お願い』
『分かった。なら、少し待ってて』
『分かった』
大狸に、待って貰い他の2匹の魔狸とも契約しようと思った所で、ふと気になった事をアコに聞こうと思ったけど、狸と戯れていたので、本体アコに聞いてみる。
『ねぇ、アコ。今大丈夫かな?』
『はい、大丈夫です。どうされました?』
『少し聞きたいんだけど、今ある従魔契約の魔方陣で、普通の動物とも契約出来るのかな?』
『そうですね… 不可能ではないと思います。試されてみては、どうでしょうか?』
『そうだね。やってみるよ』
そう言って、念話を終わらせてから、狸と戯れているソフィアたちに声をかけると、
「ねぇ、お兄ちゃん。私たちが契約したら駄目かな?」
ソフィアがそう尋ねてくる。
「ソフィアたちが?」
「うん。私とアードちゃん。どうかな?」
少し考えてみるが、別に契約するのが僕でなくてもいいかと言う結論に至る。
それに、アコから、丁度2人が抱えている狸が魔狸だと聞き、
「僕は、大丈夫だけど、ちょっと確認してみるから待ってね。」
そう言い、大狸経由で、魔狸に確認して貰い、2匹とも了承してくれたので、2人に魔方陣を手渡しから、僕がやったようにやって貰う。
すると、僕同様に、魔方陣が光る。
光がおさまり、アコに確認すると、ちゃんと2人の従魔になっていた。
それを聞いて2人は、すぐに念話を使っておしゃべりをしだしたのか、黙りこんだので、僕は残っている狸たちに魔方陣を試す為、大狸経由で声をかけて貰う。
だけど、魔狸の時と違って少し時間がかかっている様子だったが、了承がとれたようで、契約を行ってみる。
契約する前に、ドリさんとアコにも契約してみるか聞いてみたが、2人は大丈夫との事で、僕がやり、無事成功した。
ただ、レイや大狸と違い、うまく念話が出来なかった。僕が、念話で言っている事は何となく理解出来るようだが、むこうから念話が返ってくる事はなかった。これも、モンスターと動物の違いなのかもしれない。
作者より(捕捉)
引っ越してきた動物たち
・狸×6 → 大狸、魔狸×2、ノーマル狸×3
・狐×2
・兎×4
・栗鼠×3
・鹿×2
・鳥×10
・蜂型モンスター×無数