193話・他の動物たち
ソフィアたちが収穫してくれた、果物や木の実などを再びアイテムボックスに入れてから、アコに教えて貰った他の動物たちのもとへと移動する。
次に移動した先にいたのは、狐たちだった。
たちと言っても、狐は親子なのか大人と子供の2頭しかいない。
僕はゆっくりと狐たちに近づくと、親の方だと思う狐が、子を庇うように前に出てきて、威嚇してくる。
威嚇されるのは、先程の狸で予想していたからいいけど、それより親狐のある一点に目がいった。
「尻尾が増えてる?」
確か、ここに来た時は、2匹とも尻尾は1本だった筈なのに、親狐の尻尾が2本に増えているように見える。
しかも結構もふもふしているから触りたい… って違う!!
僕は、目を擦りもう一度確認してみるが、威嚇している親狐の尻尾が2本なのは変わりなかった。
そういえば、狸も1匹だけ身体が大きくなっていたっけ、ダンジョンに引っ越した事で何か起こったのだろうか?
少し考えようとした所で、親狐の威嚇音がし、ここに来た理由を思い出す。
「僕は、敵じゃないよ。食べ物を持ってきただけだよ。」
一応、そう声をかけ、アイテムボックスから、果物類と水を取り出してから、地面に置き、後ろへと下がる。
果物を見た子狐が飛び出そうとしたが、それを親狐から止められる。そして、親狐がおそるおそる果物に近づきペロッとひとなめした後、そっと口で掴み子狐の元に持っていき、子狐に食べさせた。しっかりと食べ出したのを確認してから、ソフィアたちの元に戻り、再び果物を回収してから、次の動物たちの元にむかった。
◆
その後、他の小動物や鳥たちなどに分け与えていった。
そして、引っ越した物たちの中で、唯一のモンスター… って言っても、ただ少しだけ身体が大きな蜂何だけど、その蜂型モンスターたちは、元気に飛び回っていた。アコに確認したけど、蜂たちは、空腹状態ではなかったので、今回は、何かをする事はなかった。
アコに聞いてみて、動物たちの空腹状態が良くなったのを確認してから、ソフィアたちの元に戻った。
「あ、おかえり、お兄ちゃん。アコから聞いたけど、皆もう大丈夫なんだよね?」
「ただいま、皆。うん、もう大丈夫だよ。ついでだから、僕たちも、昼食にしようか?」
皆の了承を得てから、残っていた果物を回収してから、何も生えてない区間に移動してから、昼食の準備を始めた。
作者より(捕捉)
ダンジョン内にいる鳥や小動物が食べられていないのは、ドリさんの結界内で過ごしていた名残ですね。