185話・どうする?
皆からの祝いの言葉に、少し涙ぐみそうになりながら、お礼の言葉を伝える。
特に涙声になった訳ではないと思うのだが、
「あれ? お兄ちゃんもしかして、泣いてるの?」
ソフィアにそう指摘される。
「な… 泣いてなんてないぞ。それより、そのままの勢いで、依頼を受けたんだけど、ソフィアはどうする?」
本当に泣いてはないのだが、指摘されたのが少し恥ずかしかったので、すぐに話を変える。
「どんな依頼を受けたの?」
「あ…」
そういえば依頼の話をしてなかったなと受けた依頼内容について教える。
「護衛依頼なんだ…」
「うん、そうだよ。あ、ソフィアたちに確認せずに受けてごめんね…」
先ほどから謝ってばかりだなと思いながら謝る。
「ううん、それは大丈夫だよ。」
「そっか、ありがとう… それで、ソフィアはどうする?」
「う~ん… 護衛依頼中って、アードちゃんたちは、どうするつもりなの、お兄ちゃん?」
僕は、1度アードちゃんたちを見た後、
「一応何があるか分からないから、アードちゃんたちには悪いんだけど、家で待ってて貰おうと思ってるよ。」
「そっか… なら、お兄ちゃんには、悪いんだけど、私も家で待っていようかな。アードちゃんやアコたちに料理や掃除を教える約束もしたしね。」
アードちゃんたちを見ながらそう答える。
「了解。僕の事は気にしなくて、大丈夫だよ。なら、僕が依頼を受けていない間、家の事お願いね。」
「うん、任せて!!」
「アコたちも連れていけなくて悪いんだけど、ソフィアの手伝い頼んだよ。」
「大丈夫です。任せて下さい、マスター。」
「うん、頑張る…」
「微力ながら手伝わせて貰います。」
「ありがとう、皆。」
僕が呼ばれた理由を話終わえた後、少し早いが、皆でお昼を作って食べてから、買い物の続きをしに、ソフィアとアードちゃんの3人で出掛けた。
買い物ついでに、護衛依頼に必要な物も購入しておいた。
そして最後には、ソフィア発案で僕のランクアップのお祝いをするという事になったので、食材を買い込み、家へと戻った。
「それじゃあ、お兄ちゃん。私たちで夕食の用意するから、待っててね。」
買ってきた食材を取り出した後、ソフィアに背中を押され、キッチンから追い出された。
その代わりに、アコとドリさんがキッチンへ入っていく。
追い出された僕は、何をしようか迷った結果、アコを願いを叶える時に見つけたアイテムを作製して待ってようかと、アコ経由で、ソフィアにその事を伝えて貰い、ダンジョンルームへと移動する。