180話・伝言
私は、ノーリ君の家から出てきた少しおかしい女性に伝言を頼んでから、ギルドに戻ってきた。
ギルドに戻ると、マリヤに、ノーリ君が来たら部屋に案内するように伝えてから、私は部屋へと戻り、ノーリ君が来るまで少し仮眠をとる事にした。
◆
ソフィアとアードちゃんを連れて、買い物に出掛ける。門から出た所で、最初にむかう場所を決めていない事に気づき、立ち止まる。
「どうしたの、お兄ちゃん?」
「あぁ、今からむかう場所を決めてないと思ってね。」
「そう言えば、決めてなかったね。それで、どこから行くの?」
少し考えて、一番必要な物はあれだと思い、
「まずは、服屋から見て回ろうと思うけど大丈夫?」
と提案する。
「うん、大丈夫だよ」 「大丈夫…」
同意したので、歩きだした所で、2人は僕の左右に回ってきて、手を繋いできたので、そのまま服屋にむかった。
服屋につくと、3人で服を見て回る。
だけど、正直言うと、僕は、あまり女性服の良し悪しなどは分からない為、服選びは、2人に任せる事にした。
時折、感想とかを尋ねられたので、それに答えたりして、ソフィアを含めた4人分の服を数着ずつ買った後、お店を出た所で、
『マスター。お話があるのですが、今大丈夫ですか?』
とアコから念話がきた。
『アコ、悪いけど、少し待ってくれる?』
『分かりました』
僕は、2人にアコから念話があった事を伝え、他の人の邪魔にならない場所へと移動してから、アコに念話する。
『ごめんね、アコ。それで、どうかしたの?』
『先ほど、マスターにお客様が来られました』
『お客様? 一体、だ… いや、ちょっと待って、アコ。もしかして、今の格好のまま外に出たりしてないよね?』
『申し訳ありません、マスター… 出てしまいました…』
『あ、いやそこまで、落ち込まないで、アコ。別に、怒ってる訳じゃないから…』
『はい。分かりました…』
アコに、そこの所含めて、基本的な生活知識を教えないといけないな。
『まぁ、次からは、気を付けてくれればいいから。それで、一体誰がきたの?』
『はい、気を付けます… それで、マスターを尋ねられた方は、ギルドマスターのグラディウス様と名乗っておりました』
『え、グラディウスさんが!!』
『はい、そうです。それで、マスターがいない事をお伝えすると、マスターにギルドに来るようにと伝言を残されて、帰られました』
『ギルドにか… 分かった。ありがとう、アコ。今から行ってみるよ。』
『分かりました。では、お帰りをお待ちしております』
『ありがとう』
念話が切った後、今から僕は、ギルドに行く事を伝えてから、2人はどうするか尋ねると、2人とも家に帰っておくと言うので、2人を家に送ってから、僕は、冒険者ギルドにむかった。