179話・訪問
朝御飯を食べ終えたので、ドリさんとアコを残して、ソフィアとアードちゃんを連れて、買い物に出掛けた。
◆
一通りやることが片付き、やっと戻ってこれた。
戻ってきて、休む暇もなくギルドに戻り、マリヤに私がいない間の状況の報告を聞く。特にすぐに片付けないといけない報告はなかったので、マリヤには業務に戻って貰う。
マリヤが退室後、
「それじゃあ、報告を聞こうか。」
「はい。こちらになります。」
影からシャドーが出て来て、報告書を受け取り、目を通す。
「捕らえた者は?」
「搾り取れる情報を全て聞き出した後、引き渡してます。」
「そう。これで、一応一段落ついたわね…」
「はい。お疲れ様です。」
「ありがとう。貴方たちも、暫くは休んで大丈夫よ。」
「分かりました。皆には、私から伝えておきます。」
「お願い。そう言えば、ノーリ君は帰ってきてる?」
「はい、帰って来ているのは、一応確認しております。」
「分かった、ありがとう。」
「では、失礼します。」
シャドーが部屋を出ていき、一息ついたところで、
「あ、ノーリ君の家の場所を聞くの忘れた…」
特別依頼の報酬の件で話がある。話をするのは、出来れば早い方がいいので、ギルドに来るのを待つのではなく、こちらから尋ねようと思っていたのが、家の場所を知らない事に気づく。
今さら、シャドーや知ってそうなマリヤを呼び戻すのもあれなので、バレッタに聞いてみた。
案の定、知っていたので、理由を伝えてなんとか家の場所を教えて貰った。
聞いた場所に少し覚えがあったが、私はその場所へむかった。
◆
ついた場所には、屋敷があった。
「聞いた場所だとここなんだけど… ここって、いわく付きの物件じゃなかったっけ…」
私も、噂程度にしか聞いた事がないが、確かそうだったと思う。まぁでも、ここで考えても何も分からないので、とりあえず呼んでみる。
ノーリ君もしくは、その妹が出てくるのかと思ったのだが、
「!?」
「どなたでしょうか?」
何故か家から出てきたのは、大きいタオルを体に巻いた女性だった。
突然の事で、ノーリ君に、お姉さんがいるなんて聞いてないなんて最初に思ったのだが、すぐに、
「いや、何でそんな格好!!」
「この格好がどうかしましたか? それより、貴方は、どなたでしょうか?」
ここまで、平然でいられると、もう何も言えない。
だから、とりあえず、自分が誰なのか、何しに来たのかを伝える。
「ギルドマスターのグラディウス様で、マスターに様があってこられたのですね。」
「マスターって、まさかノーリ君の事?」
「はい、そうです。」
「そ… そう。それで、ノーリ君は今いる?」
「マスターは今、外出中です。」
「そっか… なら、帰ってきたら、ギルドまで来るように伝えて貰ってもいい?」
「分かりました。」
「それじゃあ、お願いします。」
私は、伝言を頼み、ギルドへと戻った。