175話・安全エリア
ご飯などが終わり、3人の寝る場所をどうするのかリビングで話す事になった。
僕的には、部屋も余っているので、1人につき一部屋用意する予定なのだが、ドリさんやアードちゃんは、ダンジョンで暮らしたいと言ってきた。何でも、その方が気が休まるとの事だった。それは、まぁ別にいい、休む場所さえ用意すればいい。問題はアコの方だ。
「あ… アコ、もう1回言ってくれるか?」
「はい。私の全ては、マスターの物です。ですから、この家にいる間は、常にマスターの傍にいたいと思います。ですから、部屋はマスターと一緒でお願いします。」
これだ…
「アコ… 部屋は余っているのだから、そんなの気にしなくていいんだよ。」
「いえ、マスターと一緒でお願いします。」
あれ? 先程まで、料理の勉強をするから食べてくれますかって言っていたアコはどこに言ったんだろうか…
その後も、説得を試みたが、駄目だった…
「分かったよ、アコ。だけど、ベッドは別だよ…」
「はい!!」
だから、僕の方が折れた。
これで、アコの話は終わり、ドリさんたちの話しに戻る。
「それで、ドリさんたちは、ダンジョンでどうやって暮らすのですか?」
家を建てるにも、すぐに建てれる訳ではないし建てる知識もない。テントくらいなら用意出来なくもないが、この時間だとお店は既に閉まっている。
「それなんですけど、以前の住んでいた木をダンジョン内でも作りたいと思うんですけど大丈夫ですか?」
あぁ、あれの木か。
「はい、大丈夫ですよ。」
「なら、そこでアードと暮らしたいと思います。」
「分かりました。それで、ドリさん。」
「なんですか?」
「その木を作るところを見せて貰ってもいいですか?」
どうやって作るのか気になったので、そう聞いてみた。
「大丈夫ですよ。」
そうして、僕たちは、5人でダンジョンにむかった。
◆
ダンジョンにむかう途中で話した結果、ドリさんたちの家(木)は、階段近くに作ることになった。
「それでは、始めますね。」
ドリさんは、そう言って手を前に翳した所で、
「少し待って下さい。」
アコがそれを止める。
「どうしたの、アコ?」
僕が何故止めたのか尋ねてみると、
「マスター、このままだとドリさんの家(木)を作っても、ダンジョンに取り込まれるかも知れません。」
「え、そうなの?」
「はい。」
「そっか… なら、アコ。どうすれば、取り込ませないようになるかな?」
「安全エリアを設定すれば、大丈夫だと思います。」
「安全エリア?」
僕は、安全エリアの細かな説明をアコから聞いた。