14話・再会後
そこには、久しぶりにあった元同級生のシャーロットがいた。
シャーロットとは、何気に魔法学園入学前からの知り合いで、かれこれもう1年以上の付き合いになる。
初めに出会ったのは、忘れもしない街にある図書館だった。
僕的には、かなり衝撃な出会いだった。だって、居眠りしてしまい、起きたら、目の前に可愛らしい顔のシャーロットたちがそこにいたのだ。家族や近所の知り合い以外で女性に免疫の無い僕だったから、正直かなり焦っていた。
でも、そこから色々あり、シャーロットたちとは、仲良くさせて貰っている。
そんな気さくなシャーロットだからなのか、本当に貴族の娘なのか疑いもした時もあるが、所々の所作がやはり貴族なんだなぁと思った。
そんなシャーロットに更に驚かされた事がある。
それは、魔法学園に受かった時の事だ。共に受かっている事を図書館で報告しあっている時に、シャーロットの本名を知ってしまった。あの時の僕のテンパリ用と言ったら… まぁ、話す必要もないので、割愛させて貰おう。
学園でも、シャーロットには、大変お世話になっていた。僕に内緒で、僕をバカにしている人達を注意してくれたり、両親の病について調べてくれていたりと、本当にお世話になった… だけど、僕は、そんなシャーロットに別れを告げずに学園を辞めた。
なんで別れを告げなかったのかと、誰かに尋ねられたら、答えにつまってしまう。今考えると、弱気な自分を見せたくなかっただけなのかもしれない…
あれから、一月ちょっとが経った。
まさかこんな所で、シャーロットに出会うとは思わなかった。
「元気そうだね、シャーロット。」
「ノーリは、少し疲れ気味ですね…」
「まぁ、これでも冒険者のはしくれだからね…」
「そうなんですよね…」
周りの人達が、僕たちの事を見ている。その視線に耐えられず、場所を変えようと切り出そうとした時、
「シャーロット様、積もる話もあると思いますが、場所を変えてはいかがでしょうか?」
バレッタさんが、先に切り出してくれる。
「そ… そうですね。ノーリ、外に馬車を待たせてあるので、一緒に来て貰ってもいいですか?」
今日はもう、帰るだけなので問題はない。
「分かった…」
シャーロットについていき、馬車に乗り込む。馬車はそのまま動き出した。てっきり、馬車の中で話すと思っていたから、尋ねてみた。
「シャーロット、馬車はどこにむかってるんだ?」
「私たちが出会った場所です…」
「そっか…」
そういえば、最近図書館にも行ってなかったな…
その後は、一言も話さないまま、馬車は図書館についた。