171話・魂人形作製
僕は、ダンジョンルームで、アコのお願いを叶えられそうなアイテムを探していく。
良さげなアイテムは、何個かあるのだが、アコのお願いを叶えられそうなアイテムではない。
僕は、少し体を伸ばし、頬を張り、気合いを入れ直し、探していく。
すると、
「魂人形…」
良さげなアイテムを見つけた。
僕は、もう一度しっかりと説明欄を読む。
アイテム名:魂人形
必要素材:魔石(中)×木人形×魂石
説明欄:所有者の魂を一時的に、木人形に宿す事によって、宿った魂の主が自在に木人形を操る事が出来る。任意もしくは木人形の破損によって、魂は元の場所に戻る。
「これなら、いけるか…」
迷っていても仕方ないので、やってみる事にした。
まずは、作製に必要な魔石を集める為、アコに一声かけてから、別のダンジョンに移動した。家のダンジョンを使わないのは、森に引っ越した動物たちを驚かせない為とポイントの節約だ。
足りなかった魔石を集めた後は、他の必要素材を魔力交換で交換し、それらを使いアイテムを作製する。
◆
「出来た。」
僕はすぐに、宝箱から取り出してみる。
見た目は、魔力交換で交換した木人形と殆ど変わっていない。唯一変わった所と言えば、魂石が心臓部に埋め込まれているくらいだろう。
僕は、それを使う前に、アイテム鑑定を使用する。
鑑定結果は、レシピ検索で見た通りだ。
僕は、アコにアイテムの使い方を教えた後、アコ(コア)の前に、魂人形を置く。
「アコ。試しにこれを使ってみて。」
『やってみます!!』
僕は、しばらくそれを見ていたが、魂人形は、ピクリとも動かない。
『使えないみたいです… すみません、マスター…』
「僕が勝手にやった事だし、アコが、謝ることじゃないから大丈夫だよ。」
確かに、アコのお願いを叶えられるアイテムでなかったのは残念だが、分かった事もある。アコに、魂がないという事だ。
「それに、たぶんこっち系のアイテムが使えないって分かっただけ、充分だよ。それじゃあ、他に使えそうなアイテムがないか調べるね。」
『すみません、マスター…』
「だから、アコが謝ることじゃないって。あ、この魂人形は、アコが取り込んでおいて。」
『分かりました』
魂人形は、アコに取り込まれていった。
取り込んだ後すぐに、
『マスター!!』
アコが、急に呼んできた。
作者より(説明)
木人形 ・・・ 呪術などにも用いられる木型の人形。大きさは、様々で、今回使用した木人形は、160cm程の大きさ
魂石 ・・・ 魂を宿す事の出来ると言われている特殊な石。