169話・紹介
僕は、僕の事を心配してくれるアコの為にも、必ず見つけ出してやると心に決めた。
そうと決まれば、この後どうするか考えようとしたした所で、
『マスター』
「ん? どうしたのアコ?」
『ソフィア様たちが、ダンジョン内に入ってきました。どうやらマスターを、お探しになっているものと思われます』
「そっか…」
どうやら、起きたみたいだ。
「なら、ちょっと行って来るね。あ、そうだ。2人にアコの事を紹介しておきたいんだけど、いいかな?」
『わ… 私をですか?』
「うん、そうだよ。」
『どうして、私を?』
「え? だって、アコも大事な仲間だからね。」
『!?』
「駄目かな、アコ?」
『全然、大丈夫です!!』
「そっか、ありがとう。なら、行ってくるね。」
僕は、ダンジョン移動で、ダンジョンの入り口へと移動する。
入り口につくと、ソフィアたちが駆け寄ってきた。
「おはよう、ソフィア、アードちゃん。ドリさんも、おはようございます。少しは、休めましたか?」
「おはよう、お兄ちゃん。うん… でも、寝ちゃってごめんね…」
「休めたけど、ごめんなさい… お兄ちゃん…」
「休めましたが、すみません、ノーリさん…」
3人とも、何故か謝ってきた。
「僕は、気にしてないので、大丈夫ですよ。それより、アードちゃんとドリさんに紹介したい人がいるから、昼食前で悪いんですが、ついて来て貰ってもいいですか?」
「うん…」 「分かりました。」
2人の了承を得たので、2人の手をとる。
ソフィアには待ってて貰おうかと思ったが、口を開く前に、ソフィアは、僕の腰に抱きついてきた。
「私も行く!!」
「…分かったよ。それじゃあ、行きます。ダンジョン移動!!」
僕は、3人を連れて、ダンジョンルームへと移動する。
「ここは…」
「ここは、ダンジョンルームって言って、お兄ちゃんしか来れない部屋だよ。」
「そうなんだ…」
僕が答える前に、ソフィアがアードちゃんの疑問に、答えてくれる。
「ソフィアが説明してくれた通り、ここはダンジョンルームと呼ばれている場所です。それで、彼女がダンジョンコアのアコです。」
「アコと言います。よろしくお願いします。」
いつもの念話ではなく、どこからともなく発する声で、アコは挨拶した。
「アードです… よろしくお願いします…」
「わ… 私は、ドリと言います。よろしくお願いします。」
その後、少し話をしていたが、誰かのお腹の音でお開きになった。ドリさんの顔が少し赤くなっていたような気がしたが、僕たちは、見てみぬふりをした。