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168話・アコのお願い

 アコへの説明も終えたので、本来の目的に移る。


「それで、アコ。日頃のお礼に、何をして欲しいか決まったかい?」


『は… はい。決まりました…』


「それなら、教えて貰ってもいいかい?」


『・・・』


「アコ?」


 何も、答えないので、名前を呼んでみた。


『本当に、何でもいいのでしょうか?』


「…僕に出来る事ならね。」


 お礼がしたいという気持ちは本当なので、何でもの所を否定せずに、そう答える。


『で… でしたら、もう少しマスターのお役に立ちたいです!!』


 アコは、いつにもなく力強くそう答える。


「僕の役に立ちたい?」


『はい、そうです!!』


 僕は、アコのお願いをどう叶えようか考えようとした所で、


「あれ? でもアコは、今でも充分役に立ってくれてるよ? 今のままじゃ駄目なの?」


 ふと、疑問に思った事を聞いてみた。


『あ… いえ、その…』


 ん? 何だか、歯切れが悪い。

 もしかして、今言った事は、本心からでたお願いではないのかもしれないと思い、


「アコ… 僕は、本当にアコにお礼がしたいんだ。だから、言いたい事があったら遠慮なく言ってほしい。」


『分かりました… ですが、マスターのお役に立ちたいと言うのに間違いはありません。ただ… より具体的に言うのであれば、その… マスターに、料理という物をお作りしたいです…』


「料理? 僕に?」


 役にたちたいってそういう事なの?


『だ… ダメでしょうか…』


「ダメじゃないけど、アコは、動けたりするの?」


 僕は、アコ(大きな玉)を見て、そう聞いてみる。


『動けません…』


「あ、やっぱり動けないんだ…」


 ん、て事は、アコを動けるように何かしらして欲しいって事までが、アコのお願いか?

 それなら、アコへのお礼になるか。


「それなら、アコは、どうやったら動けるようになるの?」


『・・・』


「アコも、分からないんだね…」


『すみません…』


「謝らなくて、いいよ。それがアコのお願いなんだから、どうにか出来ないか、探してみるよ。」


『すみません…』


「だから、謝らなくていいって。今調べてみるから、ちょっと、待っててね。」


 僕は、とりあえず全閲覧で、役に立ちそうなアイテムがないか調べてみる。

 検索だとアイテム名を入力しないといけないので、僕は、1ページずつ調べていく。

 だけど、


「みつからないな… ねぇ、アコ。申し訳ないんだけど、アコのお願いを叶えるのを待って貰ってもいい?」


 アコには申し訳ないが、すぐにみつかりそうにないから、そう聞いてみる。


『はい、大丈夫です。ですが、マスターあまり無理をなさらないで下さいね…』


「…分かってるよ、アコ。」


 僕は、それを聞いて絶対見つけて見せると、心に決めた。

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