167話・説明
結界内全員の引っ越しを終えた頃には、日は真上まで上っていた。
森に来る前に補充した転移結晶も、かなり使った為、今度また補充しておかないといけない。
僕たちは、最後に、残っている者がいないか4人で結界内を見て周り、いない事を確認した後、結界を解除する。
「お疲れ様、ソフィア、アードちゃん。ドリさんも、お疲れ様です。それじゃあ、僕たちも帰りましょうか?」
「「うん!!」」 「分かりました。」
ソフィアとアードちゃんと手を繋ぎ、ドリさんには、僕の肩をもって貰い、ダンジョン移動で、家のダンジョンへと帰る。
ダンジョン内は、今や引っ越した生き物たちで賑わっていた。引っ越した生き物は、普通の動物たちや虫系モンスターなど幅広かった。
帰ってきた僕たちは、昼食をとる為、1度上の家へと上がる事にした。
上に上がり、リビングへと移動する。
「ここが、ノーリさんの家なんですね… うわぁ、これって椅子ですか!! とても柔らかいんですね!!」
ドリさんは、顔をキョロキョロさせたり、ソファーに座らせると、その柔らかさに驚いたりと微笑ましい光景だった。
ソフィアとドリさんは、森の中を歩き周り、アードちゃんは、引っ越した生き物たちの誘導などで疲れていると思い、昼食は、僕が作る事にした。
昼食を作り終え、3人を呼びに行くと、3人は仲良く肩を寄せあい眠っていた。
「朝、早かったからな…」
僕は、もう少し眠らせとこうと思い、その場を後にする。
「さて、何をして過ごすか…」
僕も、眠い訳ではないが僕まで眠ってしまうのは、いけないかなと思い、やる事を考える。
少しして、やる事を思いつき、ダンジョン移動を使い、ダンジョンルームへ移動する。
『おかえりなさいませ、マスター』
「ただいま、アコ。」
どうやらアコは、正気に戻っているようだ。
『そう言えばマスター、先程からダンジョンを行ったり来たり、ダンジョン内の生き物も増えているようですが、何かあったのですか?』
「あ… 勝手に、ごめんアコ!!」
僕は、咄嗟にアコに謝る。
『急にどうしました、マスター。頭を上げ下さい!!』
僕は、アコに言われた通り頭を上げ、経緯を説明する。
「…てな事があって、結界内の動物たちを、ここのダンジョンに引っ越させたんだよ。アコに何も言わずに、勝手にそんな事してごめんね…」
『そんな事があったんですね。ですが、それなら謝る必要はありませんよ』
「?」
『ここのダンジョンは、既にマスターの物です。ですから、マスターのやりたいようにしていただいて構いません』
「そうなんだ… でも、次からなるべく話をしに来るね。」
『はい、分かりました。その時は、お待ちしております』
アコへの説明も終えたので、本来の目的に移る。