表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

180/389

164話・説得 1

 ドリさんと外に出て、僕は、昨日の答えをドリさんへ伝える。

 僕の答えに、ドリさんは、目を見開き驚いた。


「な… 何を言ってるんですか、ノーリさん!!」


 ドリさんは、一応声を潜めながら、僕に詰め寄ってくる。


「そのまんまです。アードちゃんだけでなく、ドリさん、貴方も一緒に行きましょう。」


「…それについては、昨日伝えた筈ですよ。」


「確かに、聞きましたね。」


「それなら… 「ですが、行けないとは聞いてないですよ。」 !?」


「昨日、僕が聞いたのは、ドリさんが人族とうまくやっていけそうにないと言う事とドリさんがいなくなると他にここに住んでいる者に迷惑をかけると言う事だけです。」


「それは、そうですけど… なら、今ここではっきり言い… 「待って下さい!!」 …何で、しょうか?」


「僕の話を聞いてから、決めてみて貰えませんか?」


「ノーリさんの話ですか?」


「はい、そうです。」


「…分かりました。」


「なら、まず始めに、人族とうまくいかないと思うのなら、無理に人族と関わらなくて大丈夫です。」


「…それは、いったいどういう事ですか?」


「そのままの意味です。僕の家なら、人族と関わらずに、暮らせる事が出来ます。次に、ここに住んでいる者たちについてですが… 全員、僕の家に来て下さい。それなら、ドリさんも一緒に来れる筈です。」


 僕が、そう言うとドリさんは、とても驚いたような顔をした後、すぐに僕を睨み付け、


「ふざけないで下さい!!」


 と怒鳴られる。

 ドリさんも、怒鳴るつもりはなかったのか、すぐに口を手で押さえ、謝ってくる。


「突然、怒鳴ってしまい、すみません… ですが、あまりに信じられない事を言っていたので…」


「謝らなくて大丈夫ですよ、ドリさん。突然そんな事を言っても信じられない事はわかってますから。」


 まぁ、俺も何も知らない状態でそんな事を言われたら、怒鳴りたくもなる。


「ですから、それが可能であると言う事の証拠を今からお見せします。僕の手をとって下さい。」


 僕は、ドリさんに手を差しのべる。


「わ… 分かりました。」


 ドリさんは、不思議そうに、僕の手をとる。

 しっかり掴んである事を確認してから、


「ダンジョン移動!!」


 僕は、ドリさんを連れて、家のダンジョンへと移動する。



 ◆



「んん…」


 誰かの叫び声で、私は目を覚ました。

 隣には、アードちゃんも目を覚ましていた。


「おはよう、アードちゃん。」


「おはよう、ソフィアちゃん…」


「それで、アードちゃん。今の声聞いた?」


「うん…」


「でも、いったい誰の…」


 周りを見ると、ドリさんの姿がなかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ