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閑話・シャーロット・フォン・オベリスタ 3

 あの日から、ノーリさんとの交流が増えた。

 ノーリさんのおすすめの本を教えて貰ったり、私のおすすめの本を勧めたり、一緒に勉強したりしながら過ごしてました。


「ノーリさんも、魔法学園受けるんですか!!」


「も、と言うことは、シャーロットさんもですか?」


「はい!!」


「そうなんですね。」


「ノーリさんは、どうして魔法学園を受けるんですか?」


「ん~、親に楽させる為ですかね?」


「親御さんの為ですか?」


「はい。魔法学園を卒業した方が、就職が有利になるって聞いたからですね。」


「そうなんですね。」


「あそれと、今もう一つ理由が出来ました。」


「?」


「シャーロットさんと一緒に魔法学園に通えたら、楽しいかなって。」


 鼓動が早くなり、顔が熱くなっていくのを感じ、私は、ノーリさんの笑顔から目が離せなくなりました。


「シャーロットさん、顔が赤いですが、大丈夫ですか?」


「だ… 大丈夫です!!」


「そうですか? もうそろそろ、試験もあるんでシャーロットさんも、気をつけて下さいね。」


「はい…」



 そんな日々を送り、魔法学園試験当日になりました。

 他の国では、筆記と魔法の試験があるようだが、ここの魔法学園の試験は、筆記試験と魔力測定しかない。これも、お父様が政策した物だ。何でも、数多くの埋もれた才能を発掘する為だとお父様は言っていました。

 筆記の試験会場は、貴族の子息、平民の子息関係なく混合で行います。もしかしたら、ノーリさんと一緒に受けれるかもしれません。そんな気持ちで試験会場にむかいました。人数が多くて、ノーリさんを見つける事は出来ませんでしたが、数日後の図書館で共に受かっている事を報告しあいました。

 私は、ノーリさんとの学園生活が楽しみで、まだかまだかという気持ちで過ごしていました。



 ◆



 ノーリさんとの学園生活が約1年ほどたちました。

 ノーリさんとの交流はいまだ続いており、今では、ノーリさんに、砕けた口調で話して貰うことに成功しました。

 ノーリさんは、知識、魔力ともにトップクラスなんですが、どうやら魔法を使うことが出来ないようです。噂では、そんなノーリさんをバカにする人がいるようです。それでも、頑張ってるノーリさんを私は応援しています。あぁ、ノーリさんをバカにしている連中には、それ相応の対処をとらせて貰ってます。

 だけど、最近では、ノーリさんの元気がなく、休みを繰り返すようになりました。ノーリさんにどうしたのか聞いても、苦笑いを浮かべ、はぐらかされます。ノーリさんに悪いですが何か力になるかもと思い、バレッタに調べさせた所、両親が流行り病にかかってしまったみたいです。私は持てる力をフルに使いその病について調べさせましたが、何の成果をあげられませんでした。

 何も出来なかった私に、バレッタよりノーリさんの両親が亡くなってしまったという報告を受けました。私は、ノーリさんに声をかける事が出来ませんでした。

 ノーリさんは、学園に来なくなりました。でも、ノーリさんならまた、学園に帰ってきてくれると、思っていました。だけど、1週間… 2週間… 3週間… 1ヶ月以上たっても、ノーリさんは、帰って来ませんでした。

 私は、またしても、バレッタに調べさせました。すると、ノーリさんは、学園を辞めて、冒険者になった事を知りました。

 私は、すぐに冒険者ギルドへむかいました。



 ◆



 ギルドにつく早々、勢いよく扉を開きました。


 バンッ


 思ったより音が響いて、自分でも恥ずかしくなりましたが、気にしている暇はありません。すぐに、ノーリさんの姿を探します。


「ヤバッ!!」


 聞き覚えのある声のした方をむくと、男性の後ろ姿がありました。見間違えるはずがありません。私は、その男性のそばに行き声をかけます。


「見つけました、ノーリさん!!」


「ひ… 人違いじゃない…「ノーリさん!!」」


 誤魔化そうとしていましたが、ここで逃がすわけには行きません。ノーリさんが、振り返る。


「お久しぶりです、シャーロットさ… 「ノーリさん!!」」


 敬語に戻っているノーリさんを咎めます。


「はぁ… 久しぶりだね、シャーロット。」


「はい、お久しぶりですノーリさん!!」


 そこには、あの頃と変わっていないノーリさんの姿がありました。

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― 新着の感想 ―
[一言] 本当に嬉しかったんだろうなぁ 良かったねぇシャーロット
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