163話・僕の答え 2
私の我が儘を聞き入れて貰えて、今日は、アードちゃんの家(大きな木)で、泊まる事になった。
アードちゃんと果物やキノコを取りに行ったり、ドリさんたちと夕食を作ったりと、結構動いた筈なのに、初めて、お友達の家でのお泊まりで、少し気が昂っていたせいか、アードちゃんと一緒に、木のベッドに横になったが全然眠くなかった。
少し前までなら、アードちゃんと小声で話していたが、アードちゃんは、今は眠ってしまった。だから、少し暇を持て余していると、お兄ちゃんが外に出ていくのが見えた為、アードちゃんを起こさないように抜け出し、私も外に出る。
◆
僕は、場所を変えて、説得案を考えようかなと外に出て椅子に座ると、ソフィアも出てきた。
起こしてしまったかなと思ったが、話を聞くと、どうやら眠れなかっただけのようだ。
「横座っていい?」
ソフィアがそう聞いて来た為、それに了承すると、ソフィアは、僕の横の椅子に腰掛ける。
腰掛けたのを確認した後、2人っきりで話すのが、少し久しぶりな気もしながら、僕から話しかける。
「アードちゃんたちは?」
「アードちゃんは、寝てるよ。ドリさんも、たぶん寝てると思うよ。」
「そっか…」
「うん…」
「ねぇ、ソフィア。アードちゃんとはどう?」
「アードちゃんと? 一緒にいてて、とっても楽しいよ!! それにしても、アードちゃんが、木の精霊さんって聞いて、びっくりしたね。」
「そうだね。僕も、普通の女の子だと思ってたからね。アードちゃんの魔法を見て、予想はたてたけど、かなり驚いたよ。」
「そうだよね。それで、お兄ちゃん…」
「どうした、ソフィア?」
「アードちゃんたちは、やっぱりここで、暮らして行くのかな?」
心配顔のソフィアが、そう聞いてくる。
ドリさんたちの気持ちを知っている僕は、
「ソフィアは、どうしたい?」
そう聞いてみる。
「私は、アードちゃんやドリさんと一緒に暮らしてみたいかな…」
「そっか…」
「お兄ちゃんは?」
「僕も、ソフィアと一緒の気持ちだよ。」
「本当!!」
「あぁ、本当だよ。」
その為には、明日、絶対に、ドリさんを説得しないといけない。そう改めて決意する。
その後、僕たちは、少し話をしてから、2人で戻った。
戻ってから、説得案を考えついた後、眠りについた。
◆
誰かに、肩を揺すられ目を覚ます。ただ、遅くまで考えていたせいか少し寝不足ぎみだ。
僕は、肩を揺すった相手を見てみると、ドリさんだった。
「おはようございます、ノーリさん。朝早くから、すみません。」
「おはようございます、ドリさん。別に、気にしないで下さい。それで、どうしました?」
起こした理由は、何となく分かるが、一応聞いてみる。
「昨日の答えを聞きたいので、少し外に行きませんか?」
ドリさんは、ソフィアたちを一瞥した後、そう言ってくるので、了承し、ドリさんの後に、ついていく。
昨日、ソフィアと話した椅子まで来ると、
「では、ノーリさん。昨日の答えを聞かせて下さい。」
「分かりました。僕の答えは… 分かりましたです。アードちゃんを連れていきます。」
「そうですか… ありがとうござ… 「そして、ドリさん。貴方も一緒にです!!」 えっ!?」
「それが、僕の答えになります。」
驚くドリさんに、そう僕の答えを伝える。